『 君を乗せる舟 ~髪結い伊三次捕物余話~ 』 宇江佐 真理

君を乗せる舟 (文春文庫)

◆ 君を乗せる舟 (文春文庫) 宇江佐 真理  ¥560  

 

 評価…★★★☆☆

 

<作品紹介> 伊三次の上司である定廻り同心の不破友之進の嫡男、龍之介もついに元服の年となった。同心見習い・不破龍之進として出仕し、朋輩たちと「八丁堀純情派」を結成、世を騒がせる「本所無頼派」の一掃に乗り出した。その最中に訪れた龍之進の淡い初恋の顛末を描いた表題作他全六篇を収録したシリーズ第六弾。 (文庫裏表紙紹介文) 

 

 


 最近の宇江佐作品には物凄く警戒心を持っているのですが、過去に素晴らしい作品群があるため少々苦汁を飲まされたと言っても簡単には見切りをつけられず、新刊が出るとつい買ってしまいます。でも、なかなか読む勇気が出ない(T_T)

そんなわけで、本書も購入後しばらくしてから恐る恐る読み始めたのですが、久々に普通に面白いじゃないですか!いやあ、安心しました~。まぁ、ちょっと気になるところもないではないですが(「八丁堀純情派」って何だよ(-_-#)とか、その辺の諸々…)、まぁ、このくらいなら良しとしましょう。

ここ最近の宇江佐作品のあれこれとは違って、本作は宇江佐作品としても時代小説としても合格です。

でも、伊三次が精彩を欠いているのは気になりますね。というか、もはや伊三次が主役じゃないような感じが…。

まぁ、歳もとるし状況も変わるシリーズでは代替わりもやむなしかとも思いますが、『 髪結い伊三次捕物余話 』 である以上、伊三次がメインにならないのであれば、このシリーズは終了させるべきではないのかと私は思います。

ああ、台所に漂う雑多な匂いに癇を立てていた頃の伊三さんとそれにお似合いの情人だったお文姐さんが懐かしい…(T_T) 

 

(2月読了分)