『身体泥棒』(1993年・米)

◆『ボディ・スナッチャーズ』(1993年・米)

  監督:アベルフェラーラ/出演:ガブリエル・アンウォー 他

 評価…★★☆☆☆

<あらすじ>古典SFの名作『盗まれた町』の3度目の映画化。父の仕事の都合で米軍基地地区で暮らすようになった一家。しかし、基地内の人々の多くは妙に無表情で違和感を感じる。やがて親しくなった友人や家族までもが同じ様子を呈しはじめ、ヒロインもバスルームで謎の怪物に襲われる。そして…。

 ※以下ネタバレ有り


(2005年6月20日ケーブルTVにて視聴。感想等は当時のもの)

うーむ。この作品の最大の見所はヒロイン(ガブリエル・アンウォー)のヌードですかね。あんな少女(実年齢はどうか知らないが役柄としては16歳くらいかと)を脱がせていいのかと思う頼りないカラダでしたが、実に美しかったです。最初から凄いかわいいーと思って見てたので、景気良く脱いでくれたのには驚くやら嬉しいやら。

あ、あと父と継母のどう考えても不要だと思われるこっぱずかしい戯れシーンが衝撃的でした。場面は夜の寝室だったので彼らはあれが前戯なんだろうなぁ…。何か凄く見てはいけないものを見た気分でした。

うーん、先日に続いて本日もこんな結論だと私はこういう観点からしか映画を見ていないような感じがするので、もう少し真面目にコメントしましょうか。

原作は名作と名高いし過去2回映画化されたものも評価が高いので、凄い期待感をもって見始めたのがまずかったのかもしれないが、とにかく冒頭から前半にかけてが退屈。ヒロインのナレーションも欧州映画みたいで作品のイメージに合わない。むしろ邪魔。あれがない方が作品世界にすっと入り込めたかも。

大体なんでヒロインの家庭環境複雑にしないといけないんだ?ヒューマンドラマみたいな心理描写は全く必要ない話だと思うんですけど。それと同じくヒロインと何か知らんが若い軍人の小さな恋の物語もうざい。

で、すっかり嫌になった頃にようやく面白いシーンが出始めるのだが、既に見る気をかなり失ってるので入り込み辛い。かわいいヒロインが無数のうねうねする触手みたいの(植物型宇宙人らしいので蔓?吸い取ってるから根か?)にからみつかれてる画とか継母がのっとられるシーンとかはなかなかいいんですけどね。

最大の欠点は侵略の舞台が狭すぎることですな。片田舎の米軍基地地区だけ侵略されたってねぇ。特に同時多発を感じさせるものもないし。『県立地球防衛軍』のようなコンセプトの侵略なのかしら?でも、宇宙人たちの弱さと鈍さを見るとこの狭い範囲も肯けないではないですね。

あと個人的に宇宙人たちが警告とか連絡にやたら甲高い声を長々発するのも嫌だ。うるさくて白ける。だいたい植物型なら伝達手段は音声じゃないだろう。もっと考えろよ。

まぁ、そんなわけで侵略される恐怖とか危機感とかが全然伝わってこないんですわ。身近で最初にやられるのも継母だしさー。宇宙人の造形的にも、気付いたら周りの人たちが他の何者かに変わっているという設定的にも、もっとずっと怖い話にできるのにと思うと非常に残念。

実は私、これを過去に一度レンタルビデオで見てるんですが、ちゃんと見たはずなのに冒頭しか記憶してませんでした。冒頭をきちんと覚えているのは、その後に見たことすら忘れてもう一度借りて見てしまったせいでしょう(一応冒頭を見て既に見ていることに気付いた)。

名作で見たかったという気持ちだけが残っていて期待外れだったという記憶は消去されていたらしい。不思議だ。見たけど話を忘れるってことは当然あるんですが、そんなことはこの作品だけなので、私の中ではちょっと曰く付き。

ちなみに、この作品は原作の植物型宇宙人にのっとられるという設定だけを生かしていてあとはオリジナルらしいので、他の2作と原作はやはり名作なんだろうと期待しております。見たい読みたいとずっと思ってはいるのだがなかなか巡り逢えないんだよねー。(積極的に探すことはしない主義)