『シベリア超特急』 (1996年・日)

(2005年8月に深夜映画にて視聴)

シベリア超特急  (1996年・日本)

 監督:MIKE MIZNO/出演:水野晴郎、かたせ梨乃他

 評価…★★★★☆

<あらすじ>

1938年、第二次世界大戦前夜。シベリア鉄道イルクーツク駅から出発したシベリア超特急1等車には、山下陸軍大将、佐伯大尉、 青山一等書記官ら3人の日本人をはじめ、ユンゲルス(ドイツ軍・ナチ中佐)、ポロノスキー(ソ連軍大佐)、ゴールドストーン(ユダヤポーランド人実業家)らの各国の男性が3名、 李蘭(契丹人)、カノンバートル(ウイグル人)、グレタ(オランダ人・女優)ら女性が3名乗り込んだ。

乗り込むなりユンゲルスがグレタの部屋に押し入り不埒な行動に及ぼうとする。そこを李蘭に救われ、それを機にふたりは何やら親密そうに話を始める。またカノンバートルと李蘭も。女性たちは何か秘密があるようだ。

そうするうちに李蘭が自分の部屋からいなくなっていることがわかる。やがて第一の殺人が…。


日本が誇るカルト・ムービーとして名高いシベ超の第一作をようやく見る機会に恵まれました!以前から気にはなっていたけど、超駄作としても呼び声が高いので借りてまで見る気にはならなくて…(^^;)

見るに耐えないほどつまらなかったら途中でやめようと思ったのですが、これが意外にも普通に面白かったです。いや、ストーリー展開とか出演者の演技とか設定とか突っ込みどころはそれはもう満載なのですが、これが何か意外に気にならない。私ってダメなヤツなんだろうかと不安になりながら見ましたが、その感想は最後まで変わらず…。まぁ、前評判をかなり耳にしてたからというのもあるんだろうけど。ありえないっていう個所たくさんあるんですけどねー。何でだろう?

で、気付きました。昔の特撮映画見てる感覚に近いんです。ゴジラとかじゃなくて、隕石とか宇宙生命体とかで地球規模の大事件ということでグローバル感(当時はそんな言葉はなかったが(^^;)出そうとして、外人さんたくさん使ってるやつ。『妖星ゴラス』とか『地球防衛軍』とかそんなの。で、当時としては頑張って作っていい線いってたんだろうけど、今見ると突っ込みどころ満載みたいな。私、大好きなんですよ。あのテの映画が(^^;)

現代の作品なのにあんな作品世界が作れるって凄いよMIKE MIZNO。いや、ほんとに。日本カルト映画の最高峰と言われるのもむべなるかな。でも、エド・ウッドと比較するのはやめてあげて欲しいな。傾向が全然違うし、そもそも水野さんは凄く真面目に作ってるんだから。女性についての台詞にしても戦争についての台詞にしても、真面目でいい人なんだなぁと思わされますよ。この作品で語ることに効果があるかないかはおいといて。

あ、出演女優がみんなきれいなところも昔の特撮に似てるなぁ。昔の女優さんってほんっときれいですよねー。B級映画で余りいい役でもないのに結構な美人だったりするのによく驚きますもの。カノンバートル役とグレタ役の女優さんはずいぶん似た感じの人だったので水野氏の好みなのかなぁ。かたせさんは私としては微妙なのですが、脚が凄くきれいなのに改めて驚きました。

そうそう、冒頭に「最後にサプライズが2回ありますが見てない人に話さないで下さいね」みたいな注意文があるんですが、そのどんでん返したるや…。頼まれなくても他人に話したりしませんよ(^^;)