『ゾンビ屋れい子』 三家本 礼

ゾンビ屋れい子 1 百合川サキ 編 (ホラーMコミック文庫)

ゾンビ屋れい子(全7巻) 三家本 礼(ぶんか社ホラーMコミック文庫)各¥600  

 

 評価…★★★★★

 

<作品紹介> 女子高生・姫園れい子はみなし子で、先祖代々の家業・ゾンビ屋で生計を立てている。姫園家の血をひくものは呪文を唱えることによって死体をゾンビとして甦らせることができるので、様々な理由によりそれを求める人々の依頼を受け報酬をもらう。それがゾンビ屋だ。 ある日、れい子は警察からの依頼を受ける。それは白池町で起こっている幼女連続殺人事件の犯人の手がかりをつかむため被害者の死体をゾンビ化してほしいというものだった。そこで、れい子は思いがけない事態に陥る。(1巻・百合川サキ編)

合川サキ事件の後、白池町の別の場所で自分のゾンビ化したゾンビを使い、争っているもの達がいた。彼らは自らを「ゾンビ使い」と称していた。実はれい子のように全ての死体をゾンビ化するのではなく、ある特定の死体のゾンビを召還できる能力をもつ者たち=ゾンビ使いが全国に相当数存在しているのだ。 そして、彼らの中で突出した能力をもつ者が世界を支配しようという野望を持ち、動き始めていたのだ。それを阻止しようとする一派も少数ながら存在し、両者の間での争いは激化し始めていた。「姫園れい子、彼女こそが連中の計画を阻止できる唯一の希望…」。しかし、その時れい子は…(1・2巻・姫園リルカ編)

 

… …という感じで、全巻の紹介をするとネタをわっちゃうのでこの辺でやめときますが、巻が進むにつれ話はどんどんぶっとんだ方向に進化していきます。もうお好きな人にはたまらないエログロバカホラーです(笑) 

あ、性的なネタがあるわけじゃないからエロは不適切かな。えーと、巨乳満載スプラッタホラーが正確?(笑) 参考のためにもうひとつ画像貼っちゃいます。

ゾンビ屋れい子 (9) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)

いやー、何度見てもこの表紙絵たまりません^^;

 

 

※以下ネタバレ有り

 

 

前々から存在は知っていたんだけどホラーコミックを買うのはちょっとなぁと思って読めずにいた本作。ところがつい先日、近所の本屋に文庫版が全巻あるのを発見して、おおこれは買わずばなるまい!と大人買い。で、一気読み。

いやぁー、もう最高でした!私のツボにどんぴしゃです!正直、設定だのストーリーだのにちょこちょこ難はあるのですが、物凄い力技でそんなこたぁ全く気になりません。絵もちょっとクセがあるので苦手な人もいるかもしれないけど私は好きなので、巨乳とか太ももとかに萌えまくりですよ(爆)ああ、乳といえば7巻末の唐沢なをき氏のトリビュートまんが最高でした(笑)

いかんいかん、こんなことばっかり書いてると乳しかないまんがみたいだ。もちろん、そんなことはなくてグロも最高です!

……って、冗談はさておき(いや、ほんとに最高なんですけどね)、話も奇想に満ちていて(そもそも「ゾンビ屋」って!)スピーディーで、力強い絵と相まってほんとに素晴らしいです。ばんばん人は死ぬし血しぶきや人体の一部は飛びまくってますけど、実は家族愛や友情といったものを大切にしてて、そういう意味でもなかなかいい話です。百合川サキ編でのリポーター親子の件や、vol.21~22の百合川みどりの話とかなかなか切ないですよ。ああ、竹露に対するリルカの想いもいいよねぇ。私、竹露は相当キライだけど(今書いてて気づいたけど幼児体型なのも点が辛い理由のひとつかも…。私って…)

しかし、姫園の両親はどうして双子の姉妹に「リルカ」と「れい子」ってつけたんだろう…。それぞれ単独でも微妙な名前なのに姉妹に対照的な名前があるってのはどうかと思うよ。まぁ、実際は後からできた設定だから作者が考えずにつけちゃったんだろうなぁと思いつつも、ほんとに全く気にならなかったのか実はわざとなのかとか考えて、また気になる私。こうやって本編の内容とは全く関係ないことが変に気になることってあるよね…。

まぁ、とにかく凄いパワーのある作品で、おかげでこれを読んでる数日間は毎晩ホラー映画のような夢を見ることができました^^;

ちなみに一番面白かったのは、狂気の隣人、田舎の恐怖、モンスター的な連続殺人鬼…とB級ホラーの要素をこれでもかと詰め込んだ夢でした。夢の中での私は全ての悪役に狙われる美貌の若妻の役だった^^;

 

同時収録されてる古い読切り作品は別の意味で狂ってて、それもまた良し。絵がちょっとびっくりするくらい下手なのが狂気をいや増しますね。

しかし、三家本氏にどうも固着しているらしい妹と姉の関係(代表例:百合川姉妹)は何なんだろう?ご本人が女性なのであれば気づかなかったことにしようかなと思うのだけど、男性みたいだしなぁ。不思議。読んでて、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の清深がこういうの描くのかもとかちょっと思っちゃったり(笑)