『 オーパパティカ 』 ( 2007・タイ )


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◆ デッドマン ( 2007年・タイ )  

 

監督:タナコーン・ポンスワーン  

出演:ソムチャイ・ケムクランド、シャクリット・ヤムナーム、ケムアプソーン・シリスカ、リオ・プット、ニルット・シリチャンカ、ポンパット・ワチラバンジョン 他

 

 評価…★★☆☆☆

 

<あらすじ> 舞台はアジアのとある土地。ここでの実力者であるサドックには秘密があると囁かれていた。それは何かと引き換えに特殊な能力を得たというもので、その取引は素質のあるものであれば誰でも可能らしい。青年テーチットはその秘密を探ろうとサドックに近づく。そして巡り会えたサドックは意外にもあっさりとその秘密を教えてくれた。それは、自らの命を絶つことだった。そうすれば素質のある者は新しい存在 「 オーパパティカ 」 として再生し、そして、自分の身体あるいは能力の何かをと代償に特殊な能力を手にするのだという。 迷わず自らの頭に銃弾を撃ち込んだテーチットは読心能力を持つオーパパティカとして蘇った。彼のこの能力は五感と引き換えだという。 そんな彼にサドックは他のオーパパティカを探すことを依頼する。オーパパティカ同士はお互いの存在を感知するのだという。サドックの目的は明らかではないが、テーチットは自らの目的を果たすためにその依頼を引き受けることにする。 ターゲットとなるのは相手の急所がわかり正確に敵を仕留める殺し屋パイソン、日没後は意識を無くし凶暴化するアルット、本体が活動中にも幽体を別に活動させることができるラーミル、そして不死身の男ジラスの4人だ。テーチットはサドックの腹心の部下トゥーワチットとともに彼らを追い詰めていくが…。 ※本作はレンタル専用DVDのみだそうです。なので、リンクは配給元のHPに貼ってます。

 

 

うーむ、物凄く魅力的な題材とストーリーなのに全然面白くなかった…(*_*)

まぁ、この理由は明白です。完全にファンタジーorホラーの題材とストーリーなのに何故かアクション映画に成り下がっているからです(-"-;) 

あとナレーションベースの作りもダメだね。ナレーション入る映画とかドラマって大抵はダメだと思うんだけど、本作はセリフよりナレーションが多くて、しかも、そのナレーションが脇役としか思えない人物なの。 いや、実は最後で重要な役割を果たすのだけど、だったら、ますますナレーションさせちゃダメだよね。何かあるって気付いちゃうじゃん(-"-;) 

あと、同じアジア人が言うのもなんだが登場人物の見分けがつかん。みんな似たようなタイプな上に薄汚れた状態で薄暗いとこにいるんだもん。唯一主人公かと思われたけど全然活躍しない読心能力を持つテーチットくんは違うタイプなんだけど、何故か古臭いサングラスをかけており、更に髪型とかも含めてフルポン村上演じる業界人に激似で、どうしても虚心に見られませんでした。これは私の問題かなf^_^;)

それとほぼ全員をたぶらかす女性が全然魅力的じゃない。これも趣味の問題だと言われればそれまでだけど、同じアジア人の審美眼だからそんなに外れないと思うんだがなあ(-"-;) 実際、今まで見たアジア映画のヒロインは大概気に入ったし。

 

しかし、冒頭の生命の発生云々のセリフは出典あるのかなぁ。私、これで結構呆然としたんですよね。 「 生命の誕生は4種類あると言われる。ひとつは湿気だ。湿気からの誕生。 」  

えっ?湿気ですか??? 水とかならまだしも湿気て…(@_@;) と思ってると、 「 二つめは卵からの誕生、卵生、三つ目は胎内からの誕生、胎生 」  と急にえらく全うなことを言い出すので、じゃあ、最後は何だよ。あ、題材からすると人工的なって感じかなと思ってると、 「 最後に忽然と誕生する“ 化生 ” 」  とくるわけです。 忽然とって…。 「 化生 」 という語の日本語の意味とその説明が合致してるかはとりあえず置くとしても、この4つを並列に論じるってのはどうなんでしょうか?

卵生と胎生はセットでいいけど他の2つは何かもろもろ違うと思うんですけど(*_*) 

そして、湿気からの誕生だけ熟語になってないとこも気になる。まぁ、日本語にそんな語はないのはわかってるけど、じゃあ熟語で言い換えなくてもいいじゃんと思うわけだ。原語ではそういう単語が存在してるのかなぁ。

 

オーパパーティカ各々の能力の設定が何か変だったりムリがあったりするのは説明が足りないせいもあるだろうし、まぁ良しとしよう。 でも、相手に致命傷を与えた時だけその傷が自分の肉体にも現れるというパイソンが体中に傷があるのは変よね。あんなとこケガしても致命傷になり得ないってとこにたくさんある。で、そのくせ顔や頭部に全然傷がないの。現に頭をふっとばすシーンとかあったけどその傷が待てど暮らせど現れてこなかったしなぁ。いや、そういうの言わない約束だってわかってますけどf^_^;) 

ともあれ、一定の条件下で( 多分、先輩オーパパティカが見てるところでというのが条件のひとつ )自ら命を絶つことによって素質のある者は特殊な能力を持って生まれ変わる。しかし、その能力には死以外にも代償があるという設定は魅力的だし、その能力者を狙う存在や能力者同士の対立というのも魅力的だよね。

 

で、あらすじ書いてて改めて思ったけどその他の細かい設定やストーリー自体もかなり面白いんだよね。 オーパパーティカが他のオーパパーティカの心臓を食べるとその特殊能力を自分のものにできてサドックはそうやって各種能力を身に付けたり寿命を伸ばしたりしてきたとか、4人が心惹かれていた女性の正体は実は…とか、腹心の部下が実は…とか。 作り方によっては相当面白くなると思うんだけどなぁ。アメリカでリメイクしてくんないかなぁ。 DVD邦題の『 デッドマン 』は意味が違ってきちゃうし、似たようなのいっぱいあるし( そこが狙い? )全くふさわしくないと思う。この場合は敢えて意味不明なカタカナタイトルで、原題 「 オーパパティカ 」 そのままで全然いいでしょ。この語の響きって興味をそそるよねぇ。