『 宇宙船の兵士たち 』 ( 1997・米 )

 

スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]

 

◆ スターシップ・トゥルーパーズ (1997・アメリカ)

 

 監督 : ポール・バーホーベン

 出演 : キャスパー・ヴァン・ディーンディナ・メイヤーデニース・リチャーズ、パトリック・マルドゥーン 他

 

 評価…★★★★☆

 

<あらすじ>

舞台は未来の地球。民主主義は崩壊し、国家という概念も無くなり、軍事政権である地球連邦に統治されていた。基本的には平等で能力主義の社会だが、ただ一点、人々は兵役を経験したかどうかで、「 市民 」 と 「 一般民 」 に区別されていた。 と言っても、大きな差異は後者は参政権がない ( 政治に関わる職に就けない ) という程度で、普通に暮らしていく上では両者にはさほど差異はない。 しかし、軍事政権下では軍人、特にエリートである将校クラスは若者の憧れであり、自ら志願して入隊するものも多かった。

ブエノスアイレスに住む高校生、ジョニー・リコの恋人カルメンと親友のカールもそのひとりだった。優等生で勝気なカルメンパイロット志望、優れた頭脳と超能力を併せ持つカールは研究職志望だ。ハンサムでスポーツでは花形だが学業は振るわず、特別な才能もないリコは、ふたりと別れることを寂しく思いながらも、裕福な両親の言う通りに卒業後は大学に進学する予定だった。

しかし、卒業を前にしてカルメンへの想いは募るばかりで、リコは自分の進路へ迷いを生じていた。そこに、ライバルチームの花形選手でカルメンに気のある素振りを見せいてたザンダーが、やはりパイロットとして志願していると聞かされ、彼は一歩兵として入隊することを決意する。

最前線での実働部隊である機動歩兵部隊に配属されたリコは、入隊と同時に過酷な現実に遭遇する。予想を遥かに上回る猛訓練に、育ちのいい彼にはちょっと馴染めないタイプの上官や仲間たち。エリート組のカルメンらとは逢うこともない。さらに、高校の時からリコに思いを寄せているディジーが、彼を追ってきたとしか思えない形で入隊してきたこともあり、少々気を滅入らせていたリコだったが、生活を共にし訓練を重ねていくうちに周りの連中とも心が通い始め、過酷な訓練を乗り越えたことによる自信も生まれてきて、歩兵隊でのやりがいを見出し始める。

そして、分隊長に任命され、更に張り切るリコだったが、任命後すぐに思いがけない事件が起こる。実弾訓練中に彼の指示ミスで、仲間の一人が命を落としてしまったのだ。彼に期待する曹長の計らいで除隊処分にはならなかったが、失意のリコは自ら除隊を申し出る。

ところが、まさにその時、更なる事件が起こる。それは地球全体を揺るがす事件だった。以前から小競り合いを起こしていた昆虫型の異星生物・アラクニド・バグスが地球に攻撃を仕掛けてきたのだ。これにより、地球とバグスとは全面戦争に突入する。そして、その攻撃で故郷が壊滅し、両親も死亡したリコは、軍人としての気持ちを取り戻し、かつ、バグスへの復讐心に燃えて、除隊届を取り消して戦闘に参加する。

バグスたちは地球人の想像よりはるかに手強い敵で、その戦闘は熾烈なものだった。過酷な状況の中、リコは軍人としても男としても成長していくが、失ったものも非常に大きかった。やがて、戦争は最終局面に…。

 

 

 

 

 

※以下ネタバレ有り※

 

 

何故に今頃こんな映画を見ているかというと、 先般もご紹介した 『 ショック!残酷!切株映画の世界 』 で紹介されていたからです^^; 

実は私、大変に有名で続編に加えて、多くの追随作品 ( パクリとかオマージュとか参考とか様々^^; )がある、この作品を今までちゃんと見たことがなかったんですねぇ。 テレビ版をチラ見くらいはしたことはありますが、どんな設定であろうと戦争モノは好きではないので、きちんと見る気にはならなくて。

で、それを切株という観点から見るのもどうだろうと思いはしたのですが、10年以上経過したことだし、原作はロバート・A・ハインラインだし( 読んでないけど^^; ) 、とにもかくにも一定の評価を得た作品ではあるし、これを機会に見てみようかなと思いましてですね。

 

で、うーん…… って、何か最近の私はいっつも唸ってますね^^; いや、間違いなく面白いんですよ。確かにある種の名作ではあります。 ただねぇ、やっぱり、この造りはマズいんじゃないかなぁ(-"-;) 

やたらに挿入される地球連邦のテレビCM ( 戦意高揚と人員募集 )や俗悪で行き過ぎな感じのマスコミ報道、B級ホラー並みに単純バカな青年兵士たちの描き方に、リアリティに欠ける軍関係のアレコレ ( 兵器の作りとか装備とか戦闘内容とか…。そもそも虫型宇宙人が色々とムリがあり過ぎるが、まぁ、これは言わない約束か… ) など、製作者に確実に悪意があるのはわかるんですよ。 決して軍国主義ではなくて、むしろ正反対の映画なのだなと。

でも、これ、余りにもよく出来過ぎていて、それに気付かない人は気付かないと思うのです(T_T)

特に製作国であるアメリカの人々はほとんど気付かないんじゃないでしょうか? 私は裏の意図があるのだなと思いながら見てたけど、それでも、やっぱりシーンによっては戦争賛美的に見えて仕方がなくて、どうにも落ち着かなかったもの。

しかも、数々の戦闘とそれによる悲劇・惨劇を経て成長していくリコを見て、うっかり 「 かっこいいじゃん 」 とか思っちゃったしね。 基本的には登場人物全員バカで自己中心的でイヤなヤツ ( 一途で健気なディジーだけはルックスも含めてちょっと好き ) なんだけど、それでも、若者の成長物語には人を吸引するものがあるのですよ。しかも、本作ではみんなキュートなルックスだしさ。 いやー、いけませんよ、これは。 しかも、最後も落とさないで終わるでしょ。

ある意味、あれがオチなのはわかるけど、もっとわかりやすくしないとダメだって(>_<)  何か見終わって物凄~く嫌な気分になりました(T_T)

 

……と、10年以上も前に公開された映画について、今さらグダグダ言ってるのも誠に間抜けな話ですが。

 

あ、虫はよかったですよ、とっても。 外骨格生物はあんなにデカくなれないだろうというB級映画では絶対に言っちゃいけない突っ込みをはじめとして、虫のくせにどうやって宇宙空間移動してんだよとか、種族違うのに何でつるんでるんだよとか、火を吹く虫ってどうよとか、頭蓋骨に突き刺せる硬度の口吻なのにナイフであっさり切られるってどういうことだよとか心の中で突っ込み入れまくりながら楽しく見ました^^; ( この辺、原作はどうなってるんだろう? )

で、その虫たちとの戦闘シーンも確かによかったのですが、単純な戦いじゃなくて明白に戦争だったので、私はちょっとダメでしたねぇ。残念。 意味のない殺戮シーンは大好きなんですけど、戦争という意味合いが付加されると戦闘シーンを見るのも嫌なんですよねぇ。いやはや。

 

 

ところで、リコ役のキャスパー・ヴァン・ディーンって 『タイムクラッシュ・超時空カタストロフ』 の主役のコですね。 うーん、このふたりはちょっとタイプ似てるかも。お育ちがよくて、自分の正義だけを振りかざして、考えがない感じ。

今はオトナになってるから違う感じなのかなぁ。色々な映画に出てる気はする ( 名前を見た記憶はある ) けど、よく覚えてない^^;