『おまけのこ』 畠中 恵

◆ おまけのこ  畠中 恵  (新潮文庫) ¥500  評価…★★★☆☆ <作品紹介> 捕物帖風味妖怪入り時代小説 『 しゃばけ 』 シリーズ第4弾。 娘の嫁入り道具の櫛に使いたいからと頼まれて、若だんなの実家・長崎屋が取り寄せた大粒の真珠。それが依頼主である天城屋の手から、櫛職人の手に渡ってすぐ事件は起こった。櫛職人が何者かに殴られて意識不明の状態で倒れており、その手にあったはずの真珠が消え失せている。事件は長崎屋の中庭で起こったとあって、すぐに解決に乗り出した若だんなは真珠と同時に家鳴が一匹消えていることに気付く。そして、若だんなの推理力と家鳴に対する愛情が事件を解決に導く。(表題作) 他、『こわい』、『畳紙』、『動く影』、『ありんすこく』の全5篇を収録。今回は主要人物より脇にちょっと目が向いた感じの作品集になっている。
こんな人気シリーズの感想を今さら書いてもなぁという気もしますが、一応読んだので記録はしておきましょう。 ※以下ネタバレ有り※ 不思議なことに第1作めから既にマンネリ感が漂っている(良く言えば安定感がある?(^^;) このシリーズですから、特にどうこう言うこともないですなぁ。まぁ、さらっと読めて後に何も残らなくて、娯楽としては最適ですけどね。だから食い足りない感があっても仕方ないとは思ってますけど、本書収録の『 こわい 』はちょっとあんまりじゃないかなぁ。あの程度の扱いなのであれば「狐者異」などという妖に触れないでほしいですね。 以下さらっと感想。 『 ありんすこく 』 は時代小説としては非常にベタですが、まぁ悪くないです。しかし、この作品には妖は全く不要なんですよね。こういう作品なら別にこのシリーズで読みたくない(もっと上手な人の類似した作品があるし)と思うんですが、このシリーズで時代小説に踏み込もうとしている人が多くいるのであろうことを思えば有益なのかなぁ…。 『 畳紙 』 は現実と妖の兼ね合いがいい感じではありますが、私はそもそもお雛さんの厚塗りの意味がよくわからない(一応説明されているので理由はわかるけど首肯できない)ので、そこがいまいち^^; 『 動く影 』 が本書の中では一番いいかも。子供の話ってあんまり好きではないのですが、一太郎と栄吉が仲良くなるきっかけになった話と乱舞する影のイメージが面白い。あ、でも、影女について全然踏み込んでないのがかなり減点ですね。 …となると、ベストはやっぱり表題作かなぁ。ベタですけど、やっぱり家鳴がかわいい^^; そして、「 うちの子 」の声がわかる若だんなはやっぱり好感度高いです^^ しかし、このシリーズは何故にそんなに人気あるのかしら? まぁ、腐女子に物凄く受けそうな設定ではあるけど、そういうことじゃないよね?(って、そうだったらどうしよう…( ̄□ ̄;) そういえば先日放映されたドラマ、番宣しか見てないけど主要キャストは結構イメージに近い感じだったな。屏風のぞきが宮迫ってのは線が太過ぎる気はするけど。次回があったら見てみよう。