見沢知廉氏 著作紹介~『天皇ごっこ』他

先日、予告したとおり見沢知廉氏著作等の蔵書録でございますが、まず、お断りしておかねばならないことがあります。私はノンポリですので、氏の思想やそれに基づく行為についてコメントできる立場にありません。ひとえに獄中小説って?とか刑務所の中って?という興味本位で読んでます。なので、評価の方は差し控えさせて頂きます。 そういった方向に余り踏み込まない程度に感想を少々述べるとすれば、まず第一に驚いたのは文章の平易さですね。犯した罪や本人の思想活動から難解なものを想像してたのですが、意外に軽妙で読みやすいものです。『天皇ごっこ 』にはページ下部に注釈までついてるし。そのテの若者にありがちな鼻につく感じもそんなにありません^^; それと、刑務所モノでありながら精神病モノ的な部分もあるところが私には嬉しい誤算でした。まぁ、確かにまともな神経の人が長期刑で入れば心を病むだろうし、長期刑に該当する罪を犯す人にはあんまりまともな神経の人はいないだろうし、避けられないテーマではあるんですけどね。 天皇ごっこ  (新潮文庫) ¥620 <作品紹介> これはスゴい、そこまで書くかと右翼が驚き、左翼も呆れた前代未聞の「天皇小説」。天皇とは、日本人にとってどんな存在なのか。われわれはなぜ、これほど天皇にこだわるのか。監獄、右翼左翼、精神科病院北朝鮮と、さまざまな「非日常」のフィルターを通して見てみたら―。獄中で執筆され、獄中で新日本文学賞を受賞したデビュー作にして超問題作、大幅加筆を経て、文庫版で復活。 (文庫裏表紙紹介文より)
囚人狂時代  (新潮文庫) ¥540 <作品紹介>  バリバリの新右翼リーダーだった著者は、スパイ粛清事件の実行犯として逮捕され、懲役12年の判決を受ける。留置場や刑務所には、かつて世間を騒がせた“ビッグ”たちがひしめいていた。「三越事件」の社長、「ホテル・ニュージャパン」のあの人、「金属バット殺人」の彼…。有名人の知られざる生態、長期刑務所という極限空間の奇妙な日常生活を描いた、異色の「笑える」獄中体験記。 (文庫裏表紙紹介文より) 母と息子の囚人狂時代  (新潮文庫) ¥500 <作品紹介> 懲役12年。この絶望的長期刑に服していた著者を支え、励ましつづけたのは、母の愛だった。荒れて駄々をこねる息子を一喝したかと思えば、ある時には看守の目をかいくぐり、雑誌グラビアを獄内に差し入れる。家に帰れば、息子が書いた細かい悪筆の小説原稿を、疲れた身体にむち打ち清書する…。母と息子が二人三脚で奮闘する、笑いと感動の獄中記。 (文庫裏表紙紹介文より) 以下は寄稿分。私の大好きな(笑)別冊宝島です。多分、これで見沢氏の文章に初めて触れたんだと思う。で、意外に軽妙な読みやすい文体であるのを知って、かの有名なデビュー作にも手を伸ばしたのではなかったか。各書について、そんなに詳細に説明はいりませんよね?題名で判断して下さいませ^^; あ、今見たら 『サイコさん』 2冊には春日武彦氏が寄稿してるなぁ。あ、 『隣の~』 には平山夢明氏もいる。へーぇ、この頃はもうデルモンテ平山じゃなかったんだなぁ。その他にもおなじみのサブカルな面子がそろってますね。いやぁ、やっぱりこの頃の別冊宝島はよかった。あれで現在の私がかなり形作られたと言えましょう。(してみると悪書か?) 最初の2冊は10年近く前に発行されたムックなので、多分もう古書でしか手に入らないと思います。価格は購入当時のものです。 ◆囚人狂物語―殺人犯から銀行員まで―みんなのムショ体験 ¥998 ◆実録!サイコさんからの手紙―ストーカーから電波ビラ、謀略史観まで! ¥945 ◆新装版 隣のサイコさん―「いっちゃってる」人びとの内実  (宝島社文庫) ¥720