『水の中の女性』(2006年・米)
◆レディ・イン・ザ・ウォーター (2006年・米)
監督:M・ナイト・シャマラン/出演:ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード他
評価…★★★☆☆
<あらすじ>
舞台はフィラデルフィアのとあるアパート。かなり大きな建物で敷地内にプールもあるそのアパートには人種や年齢職業も多様な人々が住んでいた。そこの管理人であるクリーブランドは、内向的な雰囲気を漂わせながらも建物や敷地内のメンテナンスなどの管理人業務をしっかりとこなしていた。
ある夜、彼は夜間のプールで不審者を発見する。実はここ最近プールを勝手に使用している形跡があり気になっていたのだ。勇んで捕まえた相手はまだ少女と言っていい雰囲気の女性だった。奇妙な行動をとっていた彼女は、言葉は通じるし会話は成り立っているのだが、言っていることがどうもよくわからないし、ちょっと常識に欠けてもいるようだ。
何かに怯え、困っている様子の彼女を助けてやりたい気持ちはあるが、まず家に帰らせようと外に出たクリーブランドらを奇妙な怪物が襲う。どうやらそれは異界の生物で、狙われているのは彼女らしい。
実は彼女は水の精だというのだ。確かに彼女に不思議な力があることはいくつかの事実から受け入れざるを得ない。非現実的な話に混乱しながらも目の前の少女を救わずにはいられないクリーブランドは方法を模索する。
そうするうちに、アパートの住人である東洋人の女子大生から設定の一致するおとぎ話があると聞かされ、彼はそこに解決の鍵を見出そうとする。やがて、彼の作戦はアパート全体を巻き込んでいき……
※以下ネタバレ有り
何でも世間的な評価は余り良くなかったらしいこの作品。私はあんまり興味がなかった(このブログを見ている人は既にお気づきでしょうが、私の映画の好みは激しく偏っているので…^^;)のだが、柳下毅一郎氏と中原昌也氏が誉めてたのを思い出して、ちょっと見てみようかなと。
いや、なかなか面白かったですよ。ちょっと冗長かなぁと思うところもあるけど、これは要するにおとぎ話なので、設定とかストーリー展開とかを突っ込むものではないんですよね。おおらかな気持ちでまったりと見ていれば良いのでしょう。
中原さんみたく泣きはしなかったし、さほど感心もしませんでしたが、うん、まぁいいんじゃない? ほのぼのして。みんないい人で、みんなが力を合わせて困難を乗り越えてハッピーエンドで、いやぁ良かったよかった。(決してイヤミではありません、念のため…)
個人主義のはずの現代アメリカ人たちが、まるでお江戸日本の長屋の人々のように自分に何の利害関係もないことに一丸となって懸命に取り組むって新鮮ですよ。ウエット感がなくて全体的に何となくコミカルなところもいい。
それと、何らかの癒しのメッセージを受け取るような見方をしようと思えばできるお話でもあるので、そういう風に見るのもまた良しかと。
ただ、唯一ケチをつけさせて頂くとすれば、水の精役はもっときれいな人にしてくれ(T_T)
あと、何故に「レディ」なんだろう?ガールじゃいけなかったのか?話的にはクリーブランドは亡くした娘と重ね合わせてる感もあるし、むしろガールの方がいいと思うけど。高貴という意味を含ませたかったのなら(未来の女王だから確かに高貴だ)、なおさら美少女にして欲しかった。作中で「凄い美人」と形容されてたりするので欧米では美人の範疇なのかもしれないけど、でも、私は嫌だ(;_;)