『 パンプキンヘッド 禁断の血婚 』 ( 2007・米 )

◆ パンプキンヘッド 禁断の血婚 ( 2007年・アメリカ )

 監督:マイケル・ハースト

 出演:エイミー・マンソン、ブラッドレイ・テイラー、クレア・レイムス、ランス・ヘンリクセン 他   

     

 評価…★★★☆☆

     

<あらすじ>

とある田舎町に何十年も前に諍いが起こってから以降ずっと互いの一族全員を憎み合い、事あるごとに小競り合いを繰り返してきたマッコイ家とハットフィールド家という二つの家族がいた。

しかし、マッコイ家のリッキーとハットフィールド家のジョディは、いつしか密かに愛し合うようになっていた。

マッコイ家の娘の婚礼の夜にハットフィールド家の若い連中が乱入して騒ぎ出して結婚式が一転して大乱闘になるという事件があり、両者の対立は深まる一方だったが、愛し合うふたりには関係なく、その日の深夜も互いに家を抜け出して逢引を楽しんでいた。ふたりの関係を知って応援しているリッキーの妹サラが見張り役だ。しかし、そこに二人の関係を嗅ぎつけたジョディの兄たちがやってくる。彼らは腹いせも兼ねて、まずサラを襲おうとするが逃げられ、逢引するふたりのもとにやって来る。不意をついた彼らは嫌がるジョディを押さえ込んで、リッキーを手ひどく痛めつけて去っていく。

そして、何とか立ち上がったリッキーが見たものは変わり果てたサラの姿だった。ジョディの兄たちから逃げる途中で事故にあって命を落としていたのだ。しかし、リッキーはこれも彼らの仕業だと思い込む。悲嘆と怒りに囚われながら歩くリッキーの前に現れたのは、復讐を遂げさせてくれるという伝説の森の魔女だった。激しい怒りに支配されたリッキーは、愛するジョディ以外のハットフィールド家の人間を皆殺しにすることを願う。

そして、伝説の怪物・パンプキンヘッドが動き始めた。


つい先日、同シリーズの作品を見てブーブー言ってたくせに懲りもせず続きを借りる私 f^_^;) でも、借りて良かったです。こちらの方がずいぶんと良い出来でした。ちなみに前作との関係は全くないようです。でも、初代パンプキンヘッド利用者のハーレイのことは、みんな知ってるんですよね。パラレルワールドかしら?(^_^;)

※以下ネタバレ有り※

本作は両家の対立の様とか生活様式とか色々な面から、現代アメリカの話とは思えないのですが、冒頭の事件はかなり現代的な感じなので、ちょっと判断がつきかねます。でも、そういう時代設定がよくわからないところも含めて面白かったです。まぁ、あの国は広いから無いとは言い切れないですしね。

お話としては相当にベタな上に救いもない感じなのですが、前作よりは色々とマシです。見せ場である殺しのシーン も、それにおけるパンプキンヘッドの活躍ぶりもなかなかよろしいですし、前回はあんまり役立ってなかったハーレイ( 第一作でパンプキンヘッドを蘇らせた男 )が今回は割といい感じでした。

今回はそれに加えて、過去に一度パンプキンヘッドから逃れることが出来た男=保安官というのも登場してきたのも良かったですね。生身で、しかも信頼できる地位の人物が語ると説得力がありますもの。殺されるために出てきた感じでかわいそうでしたけどね。過去に既にフラグが立っていたとは言え、一度は逃げ延びたわけだし、今回は別の目的で蘇ったわけだし何とかならなかったものなのかしら。その過去の話を聞くと保安官は相当に悪いヤツではありますが、当事者は既に亡くなってるし時間もかなり経ってるし、今回人々を救うためにその自分の暗黒面をちゃんと話しているわけだしねぇ。まぁ、この保安官以外は前作と違って復讐の対象者以外の人が襲われることもないのは良かったですね ( っていうか、対象者以外の人がほとんど登場していないわけだが^^; ) 。

で、パンプキンヘッドに立ち向かうために、両家が長年の対立を終息させるくだりもなかなか良かったです。各々の非を認めて、責任を果し、弱者を守ろうとする両家の家長が、それぞれタイプの違う昔ながらの家長って感じで実にかっこいいです^^ ヒロインのジョディちゃんも言動も容姿もなかなか魅力的なんですが、惜しむらくは痩せ過ぎ(T_T) いい感じに胸元の開いた簡素なワンピースを着ているのですが、そこに見えているのは谷間ではなく溝( 他に表現のしようがないのですが、こどもや少年の胸の真ん中にあるアレです )なんだよな(-"-;) 

パンプキンヘッドを呼び出した愚かなリッキーくんはルックスはそこそこキュートではあるけど、まぁ、いいとこ無しですね。特に苦悩することとかもなく、最後にいきなり我に返って、僕を殺せ!ってなっちゃうので感情移入しづらい。

まぁ、とにかく、このシリーズは基本的には勧善懲悪なんだけど復讐はいけないんだよって思想に貫かれているわけですね。いや、間違った主張でもないし、首尾一貫していて素晴らしいですよ、ええ^^;  

でも、もし、更に次回作があるのならば、その時はもう少し工夫が欲しいですね。本作は確かに良かったけど、さすがに同じパターンはもういいかなって感じです^^;