『 ザ・テンタクルズ 』 ( 2003・米 )

◆ ザ・テンタクルズ ( 2003年・アメリカ )

 監督:グレゴリー・ジラス

 出演:ラリー・ケイシー、マーガレット・キャッシュ、トレバー・マーフィー、ジョージ・フォスター

 評価…★☆☆☆☆

     

<あらすじ>

結婚を控えたデイヴィッドのもとに学生時代からの友人ジェイクが訪ねてきた。身分違いとも言えるくらいのお嬢様との結婚することになったデイヴィッドは、今までの遊び仲間とのバカ騒ぎや危険な冒険などとは縁を切って新しい生活に踏み出すつもりだったが、親友のジェイクに結婚祝いに仲間と一緒に特別な冒険を企画した、独身最後の楽しみだと説得されて、インドの洞窟探検をするという、その誘いを受けることにする。

現地に集まったメンバーは男だけというジェイクの話とは違って、男女混合の親しい仲間たちだった。しかし、そこにかつての恋人・セーラがいたのはデイヴィッドには予想外だった。どうやらジェイクは彼女とよりを戻させ、自分と気の合わない上にデイヴィッドがほんとに愛しているとは思えない女性との結婚を中止させようと狙っているらしいが、メンバーの中にはセーラの現在の恋人ダークもいるし、そう上手くいきそうにもない。それぞれの思惑を抱えた個性的なメンバーに、何故か現地ガイドも加わっての探検行が始まった。

情報が殆どない上に危険度の高い洞窟に、探検のベテランとはいえないメンバーも加わってのことだったが、無事に地底に辿り着き、パーティーを始めようとした矢先、突然の大地震が起こる。メンバーのひとりは落下した岩石の下敷きになり、出口は塞がれる。パニックになりながらも何とか脱出しようと努める一行だったが、そこに新たな恐怖が襲ってきた。実は岩の下敷きになったと思われていた仲間は、その前に何者かに襲われて絶命していたのだ。暗闇に蠢く謎の巨大生物の正体は…!?


※以下ネタバレ有り※

うーん、最近、これ系ハズレ多いなぁ…。すげー、つまんなかったすっよ(T_T) まぁ、これは内容にそぐわない邦題のせいもかなりあるとは思うのですが。

「 テンタクルズ =触手 」 なので、私はタコ的な生き物、もしくは伸縮自在な触手を持つ未知の生き物が出てくるんだとイメージしてたんですよね。そういう系って生理的な嫌悪感があるし、伸縮自在ってところがまた恐怖感をあおるじゃないですが。でも、出てくるのは何故かムカデなんですよ。原題は「 centipede 」で、作中のセリフによると 「 =ムカデ 」。で、出てくるのも実際ムカデ。なのに何故にこの邦題??? 意味不明過ぎる。

肝心な内容の方も、ストーリーも設定も役者も映像も何もかもが素晴らしいくらいひどいんですが、まぁ、その辺は正直なところ、余り期待してないから別にいいんですよ。何しろアルバトロスの巨大生物系だしねぇ。よくできてたら逆にびっくりですよ(笑) でも、思ってたのと全然違う怪物が出てくるのはちょっと許し難いですよね。マニアをもっと大事にしろ! まぁ、こういう風にだまされるのが好きなマニアもいるとは思うけど、それはマイノリティの中でもマイノリティのはずだし。

そんなわけで、つまらなさについてクダクダ述べる気にもならないほどつまらない作品なのですが、一応ざっと列記しておきますね。

まず、何故に舞台はインド? 産業廃棄物か何かが理由で洞窟にいるムカデが巨大化したという話なんだけど、その道具立てのいずれにもインドである必然性はないですよね?むしろ、不自然さの方が際立つ。アメリカ本国でダメなら中南米とか何か色々ありそうなもんだけど。その方が色々自然だし。もちろん、インドの自然や風土が活かされたりしてるということは全然ありません。現地警察や大学教授、デイヴィッドらと行動を共にする現地人ガイドなど妙な滑稽感の漂う登場人物は面白くはあるけど、このテの映画に別にそんな面白さは求めてないし。

で、デイヴィッドの結婚に関するアレコレ。何かとんでもないお嬢様と婚約してるみたいなんだけど、その設定にいかほどの意味が?仲間と疎遠になりかけてるみたいな設定にしたいのなら、別に理由はセーラとの別離だけでいいじゃないすか。そして、意味ありげに何度も会話には出されている婚約者は結局作中に一度も登場することがないんですよね。最後まで顔すらわからないんですよ。しかも、登場しないままフラれてるしね。

メンバーが全て大バカで自己中…なのは、まぁ、このテの作品には物凄くありがちなことなのですが、みんな不快感を感じさせる感じで笑えないのですよね。特にダークは見た目も中身も極めて不快。

そして、ヒロインはせっかく巨乳だというのにサービスシーンは全くなし。冒頭のインド人大学生のおねえちゃんも期待させておいて何一つ見せてくれなかったし。

肝心の怪物=巨大ムカデがしょぼしょぼ。惹句と違って大量でもないし、見た目も能力もまぁ貧相。で、生き物としての設定的に色々と不可解。生き物がほとんどいないであろう洞窟で何食って生きてたんだ?とかムカデ泳げたっけ?とか色々あるけど、まぁ、こういうのは言わない約束ですから良しとします。はい。

で、そんなしょぼい怪物なのに人死に過ぎ。人を殺せばジャンル映画になるってわけじゃないんだから。どの死に方もしょぼいので見てても面白くないし、どの人にも全く感情移入できないので誰が死んでも別にどうってことないし。あ、でも、罪もない現地ガイドくんには生き残ってほしかったなぁ。

そして、ラストに地上に出てからのああだこうだはもうどうでもいいけど、そこで一応ハッピーエンドになってからのデイヴィッドとセーラのラブシーンが無駄に長過ぎ。セーラちゃんがしまってた巨乳を出してくれるとか言うなら話は違うけど、身勝手なバカップルのラブラブキスシーンなんて誰も見たくないっての。てか、親しい友人( セーラは一応現恋人もだ )があれだけ死んだ直後だというのに、よくそんな心境になれるよな。こういうのを鬼畜と言うのではないでしょうか?

あと、ハッピーエンド風ですけど、実際はわずか1匹 ( が分裂してできた2匹か^^; )殺したに過ぎず、元凶であるらしい産業廃棄物の問題もどうにもなってないし、洞窟にはまだうじゃうじゃいるしで、何の解決にもなってないと思われます。遠いインドでのことだから同胞さえ逃げ延びられればそれで良いのでしょうか? おお、してみるとそれを踏まえての舞台設定? さすがアメリカ人!(笑)

( 9月鑑賞分 )