『 まな板の上のマグロ 』 下関 マグロ

◆ まな板の上のマグロ  下関 マグロ (幻冬舎文庫) \630

 評価…★★★☆☆

<作品紹介>

世界では僕のことを “ 露出者 ” と呼ぶ。なぜなら、名前と写真、自宅の電話番号入りの個人広告を雑誌に出したから。以来、電話の嵐。 「 マグロさん、ボク、カツオです 」 などの名前ジョーク、 「 カツ丼三つ 」 などの出前ジョークから、 「 ぶっ殺すぞ 」 「 特ダネ買ってよ 」 「 3Pしませんか 」 まで、アブない電話が一カ月で千本!ちょっと危険な爆笑エッセイ。  

( 文庫裏表紙紹介文 )

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サブカル好きには裏モノ系レポートでおなじみの著者の、 「 露出者 」としての側面に焦点をあて、少年年時代の話も時系列で、自らの様々な 「 露出 」 体験を語っている自伝的な一冊。 

ちなみに、この場合の 「 露出 」 は個人情報を露にするという意味です^^;


ほのぼのとした題名と表紙は食べ物系の本と誤認させようとしての策略か?(笑)

実際私もそう思って手にとりましたが、著者名を確認して、全然違うけどある意味言葉通りの内容かもと表紙を見直してニヤリとしました^^ 紹介文にきっちり内容を書かれているから、それを読めばだまされて買うこともないでしょうけど^^;

紹介文にも書いた通り、著者は個人情報をどんどんメディアに出して行くのですが、こういうのって、今見ると驚きますけど、著者がそういうのを始めたころは個人情報って、まだ意外と無防備に晒されてた時代だったりもするんですよね。 しかも、発表媒体も限られてるし。 ただ、やっぱりイタ電全盛期であったので、なかなか大変ではあったようです^^;

でも、今は当時より個人情報に意識的にはなっているけど、ネット上 ( 特にブログ ) でうっかり色々書いちゃったり晒しちゃってる人は多いように思います。 顔写真とかみんな平気で出してますよね…。 まぁ、そういうのが多くなり過ぎて、イタズラが集中するということもないようですけどね。あと、イタズラにしてもネット上で行われるので、余程のことがなければ簡単に対処できるし。

そう思うと、かつてのイタ電って凄いなぁ。わざわざ自分からお金かけてするんだもんね。しかも、自分の声を聞かれるし、場合によっては残っちゃうのに。あと反撃される恐れもあるでしょ。 友人同士との電話さえロクにしなくなったこのご時勢、イタ電ってどのくらい行われてるんだろう? 激減してることは確かだと思うけど。 うーむ、人と人とのコミュニケーションが希薄な世の中になったことにより、そういうイタズラなども希薄になったのか。その分、陰湿に過激になったりもしてる気はするけど。実害がない方がいいのはいいよな…。

えーと、話が逸れました f^_^;) 

著者の場合、露出媒体がアダルト向けであることが殆どなので、 性産業ではないけど、ちょっと色っぽい風俗 ( レディコミ、伝言ダイヤル、テレクラなど今は廃れたものばかり^^; ) の変遷も見ることができて、そういう意味でも面白い本です。 あ、話はそういう周辺をうろうろしてますが、エロ話はほとんどないです。 ちょっとした体験談とかはあるけど、ごく淡々としてます。 しかし、個人広告入りのティッシュまで配っていたとは知らなかったなぁ。その発想に感心しましたね。 私、そのティッシュもらったら多分電話かけるな^^; 興味深いもん。 著者の好みじゃなかったらもらえないらしいが^^;