『 プリズン・ストーリーズ 』 ジェフリー・アーチャー

◆ プリズン・ストーリーズ  ジェフリー・アーチャー /訳:永井 淳(新潮文庫) ¥700 評価…★★☆☆☆ <作品紹介> 政治家としても作家としても地位を確立していた著者が、偽証罪で4年の実刑判決を受け、重警備から開放型までの5つの刑務所を転々とする服役生活の間に、耳にした犯罪に関わる実話を基に書き上げた作品をメインに編まれた作品集。 多額の金銭を横領し、パスポートを偽造して国外逃亡を図った夫婦が、その犯罪に至るまでの意外な経緯を描いた 『 自分の郵便局から盗んだ男 』、 とある着想から完全犯罪を思いつき、見事に成功させたエリートビジネスマン。その方法と代償として彼の払ったものとは?…『 この水は飲めません 』 などの犯罪実話系9編と、対照的に富裕層の実話を基にした3編の全12編を収録。
まぁ、ジェフリー・アーチャーですからね。可もなし不可もなしですよ。心躍る面白さはないけど堅実に面白い。私などからすると退屈スレスレと言う感じがしないでもないですけど。 「 刑務所の話 」 という題名に、囚人仲間から聞いた犯罪実話が基ということで、犯罪モノ好きとしては過剰に期待をしてしまいますが、そういう意味では全然お上品 ( 犯罪者も犯罪自体も )で食い足りない感じです。 実話系だけあって、ミステリやサスペンスの要素も乏しいし。まぁ、ふつうの人間ドラマですかね。私は読んでてO・ヘンリーみたいだなぁと思いました。そういや、 『 警官と讃美歌 』 によく似た作品があるな ( 『 もう十月? 』) 。