『 女体渦巻島 』 (1960・日)

女体渦巻島 (1960年・日本)

 監督:石井輝男/出演:吉田輝雄三原葉子天知茂

評価…★★★☆☆

<あらすじ>

戦後十数年経ち、長崎県対馬は、その立地から大陸と本土の犯罪の中継基地のようになっていた。ある港町も例外ではなく、そこには香港を拠点とする麻薬組織の中継拠点が存在していた。そこはキャバレーの体裁をとって、麻薬の密輸をすると同時に女給という名目で女を集め、海外への人身売買も行っていた。

そこへある日、本部から来たという大神と名乗る男が強引に乗り込んできてマダムに会わせろと言い出だした。そこの経営を任されているのは組織のボス・陳雲竜の情婦・百合だった。支配人らは困惑するが、大神を知っているらしい百合は落ち着いて対応する。実はふたりは、かつては将来を誓い合った恋人同士だったのだ。しかし、大神が香港にいる間に百合は彼を裏切り陳の情婦になってしまったのだ。そして、大神は自分を裏切ったふたりに復讐するために、組織に無断で香港を離れ対馬に現れたのだった。

百合は裏切ったのは事実だから制裁を受けると言ったきり何も説明しようとしないが、大神は百合の行動にはやはり何か事情があったらしいことがわかってきた。そして、この中継拠点の内部の腐敗ぶりと陳の更なる悪行にも気付いた大神は自分の復讐のためだけではなく、百合と店の女たちのために立ち上がる。


この作品の何が魅力的って、この題名ですよね。 「 女体 」だけでもふらっとするのに、それが「 渦巻 」いちゃう 「 島 」 って!?

……と期待させといてなんですが、内容は全然そんな話ではありません^^; まぁ、女体はたくさん出る ( 露出はほとんどないけど )し、島も出るけどもさ。 渦巻きはどこにもなかったですね。舞台は対馬で鳴門じゃないし(笑)

まぁ、そんなわけで魅力的なタイトルに惹かれて手に取って、監督名を見た瞬間に迷わずレンタル決定したわけですが、いやぁ、全然ふつうのごくごく真っ当なアウトロー映画 ( ってのも変だな^^; ) でしたねぇ。石井輝男監督って、こんなフツーの映画撮れるんだ!とちょっと感心してしまいました。 ( 私は物凄く変な作品しか見たことがないので^^; )

…という風に、題名と監督名で期待したものとは全然違っていましたが、色んな意味で面白かったです。ふつうの映画としても面白いし、公開当時はおかしくなかったけど時代を経ておかしくなってるところや、石井輝男監督ならではの妙な面白さ、今とはまるで違う俳優の格好良さ( 演技は微妙だが、それが余計に作り物っぽくて格好良い^^; )と女優の美しさなど、衣装の意外なセンスの良さ( ドレスが素敵! あと、あの時代にストラップレスブラが存在していたとは(@_@;) )などなど、色々と興味深く楽しく鑑賞致しました。76分という時間の短さもいいね。

しかし、冒頭の 「 東洋のカサブランカ対馬 」には度肝を抜かれました(笑) あと、作中の射撃競争は爆笑モノです。