『テキサス・チェーンソー・ビギニング』 (2006・米)

テキサス・チェーンソー・ビギニング  (2006年・アメリカ)

 監督:ジョナサン・リーベスマン/製作:マイケル・ベイ

 出演:ジョルダーナ・ブリュースター、マット・ボーマー、テイラー・ハンドリー、

     アンドリュー・ブリニアースキー、R・リー・アーメイ

評価…★★★★★

<あらすじ>

食肉処理工場の女工が作業中に突然苦しみだし、床に嬰児を産み落としてすぐに死んでしまう。血まみれの床に転がる嬰児を見て戸惑う工場長らは結局その子を捨てることにする。紙に包まれて本当にゴミのようにして捨てられた赤ん坊は、幸いゴミ箱を漁っていた女に拾われ家に連れ帰ってもらえるが、その家と家族はちょっと奇妙なものだった。そして、その子にも生まれつき奇妙なところがあったのだ。

時は移り舞台はベトナム戦争にゆれるアメリカ。仲の良い兄弟であるディーンとエリックはベトナムへと旅立つ前の休暇をそれぞれの恋人も交え4人で楽しんでいた。しかし、既にベトナムを経験している兄エリックと違い、今回初めて戦地に赴くディーンは実は戦争には行きたくないと思い、それをいつ兄に打ち明けるべきか悩んでいた。ふたりの恋人はその事情を知りつつ黙って見守っていた。

それぞれの思いを胸に秘めつつ4人は車でのテキサス旅行を始めるが、道中でガラの悪いバイカーたちに絡まれる。何とかやり過ごしたつもりの4人だったが、バイカーの中の一人の女が執念深く彼らを追ってきており、その攻撃から逃れようとした彼らの車は事故を起こしてしまう。負傷してすぐには動けないでいる彼らを銃で脅す女。しかし、そこに保安官がやってくる。

天の助けと思ったのも束の間、その保安官はいきなり女を撃ち殺し、その死骸を無造作にパトロールカーの助手席に載せるという異常な行動に出て、彼らも後部座席に乗るよう強く促す。それは強迫と言ってよかった。抵抗する術も気力もない3人はそれに従うが、ただひとつエリックの恋人クリッシーだけが車外に投げ出され見つかっていないのが望みだった。

そして、彼らが連れて行かれたところはこの世の地獄ともいえる場所だった。


いやぁ、さすがはレザーフェィス!面白かった~! テンポもストーリーもグロ描写も文句のつけようがない。あ、あとメインの若者4人がみんな美形(しかもひとりは爆乳!)なのも物凄い高評価! 作品の性質上エロはほとんどないですが、最初の方で一応お約束のサービスシーンがちゃんとあります^^; これは後の地獄との対比のために必要なので必然性はあるのですが、チアリーダーのコスプレはさすがにちょっとバカ過ぎではないかと…。いや、楽しませてもらいましたけどね^^;

ただ、ひとつ難点をあげるとすれば、これが 『テキサス・チェーンソー 』 につながるという前提なので、若者たちは4人とも助からないし、レザーフェイス一家に大したダメージも与えられないってことが最初からわかっていることがちょっと…。特に今回はいい若者たちだったんで見ていてかなり辛かったです。

ちなみに、前作は『悪魔のいけにえ』のリメイクだったけど、これはもう別物になってるのだよね? それはそれで良いというか、むしろその方が良いと思います。

あと『ビギニング』というほど過去や経緯を語ってないと思う向きもあるかと思いますが、私はこの程度で満足ですね。生い立ちだけでも十分に説得力はあるし、おじさんが両足無くした経緯もデタラメだとは思うけど面白かったし、保安官殺しとかも予想はしてたけど納得できたし。ホラー映画としてはこれでいいと思うわ。

そもそもレザーフェイス一家の成り立ちを知ってどうすると言うのだ?と思うんですよね。彼らに共感なんかできないし、したくないし、する必要もないでしょ。単純にモンスターとして見るだけでいいと思うけどね。狂者や異常者を生み出した理由を詳細に描かれたらそれはホラーとは違ってきちゃいますよ。きちんとした物語が描かれてたら確実に物凄く嫌な気分になるし、デタラメを描かれてたら一気に作品の質が落ちちゃうし、この程度でいいんじゃないですかね。

まぁ、レクター博士みたいな殺人鬼としては特異なキャラクターの場合は、その成り立ちを知りたいし理解の手がかりみたいなものを欲しいと思うので、『ハンニバル・ライジング』の場合は意味はあると思うけど。…と言いつつ見てないし、多分今後も見ないけど(原作『ハンニバル』での転調にげんなりしたのです…(T_T)。

そんなわけで、私は独立したスプラッタホラー映画として、また、時代をさかのぼった『テキサス~』の続編として非常に楽しく(というとちょっと語弊があるけど…)鑑賞致しました。

正統派スプラッタホラー好きにはおすすめ(しなくても見るでしょうが^^;)ですが、残酷描写やグロがダメな人は近寄っちゃいけません(^_^;)b

(※9月下旬鑑賞分)