『57577―Go city,go city,city!』 枡野 浩一
◆57577―Go city,go city,city! 枡野 浩一 (角川文庫) ¥820
評価…★★☆☆☆
<作品紹介>
枡野氏の短歌にマンガや写真などのビジュアル的要素を加え、英訳も添えてスヌーピー風の4コママンガ的に構成された本。寄稿しているマンガ家は南Q太、おかざき真里、魚喃キリコ、しりあがり寿、町田ひらくなど多数。
まず正直に断っておくと、本書は作品にというより著者に興味があって購入しました。私、定型詩は好きなんですが口語短歌はちょっと苦手で。そして、枡野氏は流行りモノ感が強かったから更に苦手で。で、なるべく触れないようにしてたんですが、他の部分でちょっと人となりに興味が出てきたので一応作品をチェックしておこうかと思いまして。
本書への収録作は少ないので、これだけで判断するのはどうかなと思いますが、感覚とか言葉の使い方は嫌いではないですね。むしろ、女性の口語短歌より性に合うかも。私の場合、女性の口語短歌はなんか生々し過ぎて苦手なんですよね。
中にはどうかと思うような作品も結構あるけど、割と初期の作品集みたいだし、何らかの要請によって書いたものかもしれないので、そこは不問に付しておきます。
しかし、やっぱり感動とか感心からは程遠いんだよな。ストレート過ぎるし軽過ぎる。かと言って、新鮮な視点があるわけでもない。でも、若者にはこの程度がいいんだろうな。
一応、ちょっといいかなと思った句を以下に紹介しておきます。
耐性ができてしまって もう君を 裏返しても 泣かしてみても
わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに
どことなく微妙に違うものだった なくしたものを取り戻しても
やめようと誓った行きとやめるのをやめようかなと思った帰り
しかし、作品の内容云々はおいておくとして、本書で私が非常に納得できないのは空白の4コマが結構あること。わからないではないけど、参加しているのが錚々たるメンバーなので凄く損した気がしてしまいます。実際その分価格も高いんだからさ(-"-;)