『狭間の国のローズ』(2005年・米)

ローズ・イン・タイドランド (2005年・アメリカ)

 監督:テリー・ギリアム

 出演:ジョデル・フェルランドジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャー他

 評価…★★☆☆☆

<あらすじ>

ジェライザ=ローズは夢見がちな女の子。両親はどちらもジャンキーで、パパはいつも優しく面白い話をしてくれるが、ママは感情の起伏が激しく、ローズに辛くあたったかと思えば必要以上に愛情表現したりする。しかし、ローズはそんな両親が大好きで、トリップするのを手伝ったりマッサージをしたりして結構楽しく過ごしていた。

ところがそんなある日、ママが薬のせいで急死してしまう。パパはパニックを起こして逃げ出そうとするが、ローズは冷静で、ふたりは協力して何とかママを葬ってから旅に出る。パパの亡くなったママ、つまりローズのお祖母さんの家が目的地だ。

ローズは到着した家の古さにがっかりしながらも、友達のミスティークら(バービー人形の頭部)と一緒に周囲の探検に出かける。そこで色んなものに出会うローズだったが…


※以下ネタバレ有り※

えーっと、いきなりなんですけど、正直な感想を言うと私はこれ気持ち悪いです(T_T)

テリー・ギリアムだからと思って何の気なしに借りたけど予想以上のダメージを受けたよ…(-"-;)

なので、いつも以上にうまく感想が書けないと思われます。ご了承下さいませm(_ _)m

パッケージに書いてるような単純なファンタジーでは有り得ないと思ってたけど、これはひどいわ…。主演のジョデル・フェルランドは確かに魅力的ですよ。演技力も凄いんですが、それとは別にロリータとはかくもあったのかと思わせる蠱惑的な魅力を感じます。でも、それだけにデイケンズとのキスシーンとか、もうちょっとやめてーって感じなんです(>_<)

冒頭のドラッグ漬けの両親とそれに順応してるローズの様はなかなか面白くて、ゴキゲンな(死語)アメリカンファミリーが舞台の新しい感覚のファンタジーなのかしら?とか思ったけど、いやはやですよ。ファミリーはあっという間に崩壊するしね。母親が冒頭で死ぬのは想定の範囲内だが、父親が新天地に行くなり死ぬとは…。しかも、両親とも薬物のせいでって、リアルかもしれないけどちょっとなぁ…。

少女と死体(および損壊)とかは『禁じられた遊び』以来の定番で全然抵抗ないんですけど、この嫌悪感は何なのでしょう?うーん、やはり主演女優が良過ぎるのかなぁ。何か彼女を直視できないような感じになっちゃうんだよな。うう、もはや多くを語りたくはないですな。

でも、これが『アリス』か?と言われれば、『アリス』かもしれない。情景や描写が美しくないだけで、実際キャロルには見えてた世界はこれに近かったりして…と思ったりもするが、まぁ、とにかく私には受け付けられない作品でした(T_T) こういうのなかなか珍しいぞ。でも、この作品はどう考えても、明らかに見る者に不快感を催させるために作ってるよなぁ。じゃあ、私のこの反応は監督の狙い通りなのかしら…。原作はどうなってるんだろう。

ちなみに私はタイトルの 「タイドランド tideland」 という語を今回初めて見ましたので、辞書をひいたところ「干潟」としか載ってないのです。「干潟の上にいるローズ」って、感じはわからないでもない(今は潮がひいて陸地として立っていられるが満ち潮になったら水没してしまう…みたいな危うい感じ?)んですが、わかりにくいしキレイじゃないよなぁ…と、ちょっと他にも調べてみたら「境界線」という意味もあるということなので、悩んだ結果あのような題名をつけてみました(>_<) でも、いまいちってか、いまみっつぐらいだよね…(T_T)