『日本以外全部沈没』 (2006年・日)

日本以外全部沈没 (2006年・日本)

 監督:河崎 実/出演:小橋賢児柏原収史村野武範藤岡弘、

 評価…★★☆☆☆

<作品紹介>

2011年。原因不明の天変地異でアメリカ大陸が1週間で海に沈んでしまい、その後も中国大陸、ユーラシア大陸…と日本以外の世界中の陸地がどんどん海に沈んでいく。

各国の金と力のある人々は続々と日本へと集まり何とか生活を始めていたが、とうとう全ての陸地が沈没してしまってからの状況は滑稽かつ悲惨な様相を呈してきた。常に海外にぺこぺこしてきた日本が初めて強気に出られる時がきたのだ。日本人は増長し、日本以外の各国人たちは日本から追い出されたら死ぬしかないとわかっているので、見栄も外聞もかなぐり捨てて媚び諂う。そして、日本という自給率が極めて低い上に人口が多く国土の狭い国に、各国の難民が押し寄せてきたわけだから、当然物資は欠乏し社会は混乱する。最初は友好的だった日本人も、自分達の生活を脅かす外国人たちを冷たい目で見るようになり軽く扱い始める。ついには元は有名人だった外国人でも、金も仕事もなくなりホームレスや街娼になる始末だ。

日本以外全部沈没してから3年経ち、この不自然な社会を維持するのも限界ではないかと思われた頃、地球物理学の権威・田所博士が新しい計算による今後の予測を発表する。それは…。

筒井康隆小松左京本人の許可を得て書いた『日本沈没』のパロディ小説『日本以外全部沈没』の映画化。筒井氏本人の出演もあり。


原作を読んでる立場からすると映画化はムリだろうと思ってたんだよね。で、河崎実監督でしょう? あんまり見たくないなぁと思ってたのだけど、つい魔がさして借りてしまった。5本セット割引の罠恐るべし。

しかし、まぁ、そんなに悪くはなかったよ。原作とも原典とも全く切り離してバカ映画を見るという気持ちで見るのが正解。前評判とかキャスティングとか全く知らないまま見始めたら、いきなり若造がふたり出てきたので、それでもう相当にげんなりしたけど、その後に出てくる日本語の下っ手くそなガイジンたちを見て、ああ、そうかこれはそういう風に見ちゃいけないんだなぁと悟ったよ。

にしても、登場するガイジンの皆さんの日本語の下手さ加減はかなりのもので、ちゃんと弁えてるつもりでも見てる途中で何度もイラっとしちゃいましたね。あれも味のひとつだとは思うのだが、ろくに聞き取れないんでな(-"-;) 若造(特に小橋)の演技も似たりよったりだしさ。ほんと心のオアシスは村野武範演じる首相だけでしたよ。

全くあの若造ふたりをもう少しいい感じの俳優にしちゃいけなかったのかなぁ。下手でもいいけど、せめて30代前半くらいの男性にして欲しかった。演技云々以前に画面から浮いてて見てられない。柏原くんの顔は好きなんだけどね…(柏原兄弟はどちらも顔だけは好き^^;)。

ちなみに、ストーリーは原作とはちょっと違うがそれはもはやどうでもいいことですね。まぁ、原作はほとんど一幕物って感じの短編だったしね。ただ、最後の意味不明なハートウォーミングな感じのシーンは全然いらないんじゃないすかね。まぁ、それもどうでもいいですけど。(凄くなげやりな私)

この映画で最も感動したのは挿入歌ですな。安泉首相の歌う『日本音頭』最高!(^^;)  映画音楽としては『ゴジラVSヘドラ』の主題歌を聴いた時以来の衝撃だったよ。