『偽書百撰』 垣芝 折多 著/松山 巌 編

偽書百撰 垣芝 折多 著/松山 巌 編 (文春文庫) ¥500  評価…★★★☆☆ <内容紹介> 『掃除のすすめ』『掏摸スリ和歌集』『番台の忠告』…。明治・大正・昭和の百年に著わされた、奇妙キテレツ、抱腹絶倒の百冊の本を発掘した奇書中の奇書。著者・垣芝折多の博覧強記には唖然とするばかり。これぞ日本の近代百年の裏面史である。 (文庫裏表紙紹介文より) ----------------------------------------- ちょっと昔の 「トンデモ本」 を紹介した本だと思って頂ければよろしいかなと^^; いつぞや紹介した 『大正時代の身の上相談』 にちょっと通じる感覚ですね。現在の目で見るとちょっと不思議な感じのする近代人の生活や文化が伺い知れて面白いです。著者の文章も好ましいし、図版が入ってるのも嬉しい。 最後にちょっとした仕掛けがあるのですが、それは読んでからのお楽しみということで^^
最近、はからずもジャンル問わず黒い感じの読書ばかりしていたので、たまにはほのぼのしたものをと思って本書を手に取りました。黒い本や奇想に満ちた本を読むのは楽しいけど疲れるし、読書記録を書くのも色んな理由で結構困難なんですよね。(おかげで相当溜まってます…) 本を紹介する本を紹介するのは困難なので、紹介されている書名を見て頂くのが一番でしょうねえ。実際は旧かな旧字体で表記されていて、そこがまたいいんですがここでは現代かな・字であることをお断りしておきますm(_ _)m 『燐寸使用方』、 『写真亡国論』、 『食臭植物の実体』、 『喜怒哀楽大全』、 『五厘玉ノ冒険』、 『野菜小説 現代呼吸』、 『一葉女史の料理』、 『爪垢および欠伸比較研究』 ……と、目次の上からほとんど順番にひっぱってきましたが、これらの題名見ただけでも充分魅力的ではないですか? 重度の本好きならきっと、目次に並ぶ百冊の書名を見ると本書も読みたくなるし、紹介されてる本も読みたくなると思います^^ そして、最後の仕掛けが実は結構驚きです。ヒントは著者の名前にあります。 ……もし、万が一、これだけでわかっちゃった方がいたらごめんなさい(>_<) (1997年10月初読)