『春話二十六夜 岐かれ路』 『同 月待ちの恋』 坂東 眞砂子

岐かれ路―春話二十六夜  坂東 眞砂子 (新潮文庫) ¥620 月待ちの恋 ―春話二十六夜  坂東 眞砂子 (新潮文庫) ¥620  評価…★★★☆☆ <作品紹介> 春画をモチーフにしたエロティックな時代小説集。各作品の前にモチーフとなった春画のカラー図版が掲げられている。全二十六夜ということでで、一応番号が振られているが順番には特に意味はなく、どこからどう読んでもよろしいかと思われる。 ------------------------------- 何か物凄い簡潔な紹介文で恐縮なんですが、こういうのは説明不要ですよねえ。興味はあるけどどうだろうって方は書店でぱらぱら見て、好みの春画があるかどうかで購入を決められたらいいんじゃないかなぁ。
私は浮世絵も春画も時代小説も好きなので迷わず2冊まとめて購入しましたが、まぁ、ぼちぼちってとこですかねぇ。浮世絵に限らず絵は原寸で見た方がいいしねぇ。でも、手軽に手に入るのは有難いですよね。地方だと浮世絵の展覧会とかってあんまりないし、画集は高いから浮世絵や春画の入門編にはいいかな。小説としては可もなし不可もなしって感じですかね。官能小説としては使えないと思うけど、それは個人差のある話だしね^^; まぁ、2冊買わなくても良かったかなぁという気もするけど損したって程でもない。とりあえず、こういうのが文庫で手に入るのは有難いなぁってとこでしょうか。 ちなみに浮世絵がらみの本で私のおすすめなのは、既に紹介してますが杉浦日向子さんの『百日紅』。北斎がすきなのもあって(てゆーか、浮世絵が好きで北斎嫌いな人なんているのか?)超おすすめです。そして、浮世絵の方はそんなに感心しないんだけど、小説として大好きなのが皆川博子さんの『みだら英泉』。私はこれで春画に開眼したと言ってもいい。官能小説としても今回紹介してる『岐かれ路』 『月待ちの恋 』より使えるかも^^; 皆川博子さんの作品は何とも言えず色っぽいんですよねぇ。SFでもホラーでもその雰囲気は濃厚。かなり癖があるので、大好きとかおすすめとかは言いづらいんですが常に注目してる作家さんのひとりです。あ、英泉は『百日紅』にも出るし、以前紹介した宇江佐真理さんの作品(『酔いもせず』 『おちゃっぴい』)にも出てるので、それらに興味がある方は是非ご一読を。 あと、春画ではないですが藤沢周平の『日暮れ竹河岸』も良いですよ。これには安藤広重の『名所江戸百景』をモチーフにした7篇が収録されてます。さすがって感じです。北斎なんかに比べると地味ではありますが、やっぱり広重は広重で素晴らしいですよね。って、言わずもがなのことですが^^;