『ＱＰｉｎｇ (１)』　堀江蟹子

　 ◆QPing 1 (1) (UNPOCO COMIX)　堀江蟹子（新書館）　￥672 　評価…★★★★★ ＜内容紹介＞己の可能性を信じて疑わず、独自のファッションで闊歩するＵＭＡ（未確認生物）オタクで船越英一郎ファンのお兄ちゃん。軍事オタクの弟・ボン。優しくて愛情溢れているけど、アンチエイジングが気になるお年頃で、かつ壊滅的な料理の腕を持つが故に道を踏み外しがちなママや、方向性の間違った愛情に溢れる自己中心的なパパに囲まれた、こだわり兄弟の辛口四コマ。　(※単行本裏紹介文を一部アレンジしました）このまんがは凄い！最高です！！この一冊を読む間に何度声を出して笑ったことか！こんなに笑ったのは久しぶりです。ネタと絵柄の絶妙なコンビネーションで何度読んでも笑える。 …と激賞したけど、ツボが違う人には全く面白くないんだろうなぁ。しかし、私の中では現時点のベスト・オブ・４コマです！
ひとりで興奮してないで少し内容など説明しましょう^^; 実はこれもジャケ買いです。画像を見て頂いたらおわかり頂けるかと思うけど、キューピーに酷似した幼児の険しい表情のアップがまずかなりのインパクト。そして、よく見ると背景に作品の一部が載ってる。その見える一部が全てそそる感じの内容ではあるのですが、私が購入を決めたのはこの台詞。「バカだなぁ。このとがりも含めて兄ちゃんなんだぞー。このとがりがなかったら兄ちゃんなんて何の価値もないぞー」兄ちゃん、それ何か違う。でも、かっこいいぞ兄ちゃん！で、冒頭からいきなりＵＭＡオタと軍事オタの見解の相違での兄弟ゲンカネタがきて、２番目のパパ登場のネタでハート鷲掴みですよ。本作はほんとに絵と台詞の両翼あっての破壊的な面白さなんですが、余りにパパが素敵なので、一部引用します。上の子が生まれた時、「この子が平和を愛する心やさしい子に育ちますように」と妻が言ったので、弟の方は兵器を愛する軍事マニアとして育てることにした。「だって、右翼と左翼バランスとらなきゃ不公平だと思って！！見ろっ、右手と左手があるから拍手ができるんだぞ」 …違うよ、パパ。色々違う。てゆーか、そもそも、お兄ちゃんは平和を愛する心やさしい子には育ってないような気がしますけど…。いや、好戦的なわけでも意地悪なわけでもないし、いいお兄ちゃんではあるけどさ。しかし、このパパほんと大好き。結婚したいです。私、ママよりは料理上手だと思いますがダメですか！？　パパ萌えついでにパパの名台詞をもひとつ引用。「ハハハ、親に免許はいらないからね！！これからも親子みっちり仲良くしようね！！還暦・米寿・白寿、パパ百まで生きる気満々だよ」ああ、ほんと好きなとこばっかりで、どこを紹介したらいいんだかっ！すっごい好きなネタがいくつかあるんだが、前後つなげて読まないと面白さわかんないし、絵があって初めてってのもあるしなぁ。台詞だけで面白いヤツもあるけど、これも画面構成があって生きてくる感じあるし。ああ、とにかく皆さん読んで下さいっ！！このわけのわからない文章をここまで読んできて下さった方なら、きっとツボは同じはず^^; 紹介文には出てない、グレイ激似の田中さんや軍事オタの母方のおじいちゃんも非常に魅力的です。個人的には田中さんと接触してる時の兄弟の様子が凄く好き。変ながらも「所詮幼児よのぉ」と思わせてくれるところが多々あって非常に好感がもてる^^ そう、この作品のどこがそんなにいいかって言うと、色々おかしなところはあるけど、根本的には愛情溢れる家族（パパとママの間はちょっと冷えているようだが…）のお話なんですよ。兄弟も趣味はアレだが、別に変にませてるとかいうわけではなくて、素朴でかわいいの。そして、私が最も高く評価したいのは、恋愛ネタも下ネタも一切ないこと！これって、凄いことですよ。ぜひとも、このままの路線で突き進んでいってほしいものです。あ、ちょっと引用しやすいネタ見っけ。これを紹介して終わりにしよう^^; 七夕飾りの願いごとを書く兄弟。弟　「ママの願いごともお祈りしてあげる！」兄　「子供がお祈りした方がきっと神様もきいてくれるよ！！」弟　「神なんてチョロいよね…」　（悪い顔をして、くっくっと笑いながら）兄　「でも、あいつ「カネほしい」とか書くと山程鐘送ってきたりするとんち野郎だぜ。それ、わかってて間違えてるだろ、みたいな。今までどれほどのいじわるじいさんや欲深ばあさんが泣かされてきたことか…」　（ヒソヒソと）弟　「性格わりいな、神」兄　「イヤな野郎だ、神。だいたい織姫と彦星を３６４日間も放置してるのはどういうつもりだ、神。ちゃんと働けよ、神。ニートかよ、神」母　「神様の悪口言いながら七夕祝うのやめなさい…」いやあ、我が意を得たり！ですよ。確かにとんち野郎で性格悪いイヤな野郎だよなぁ、神！