『 新編 百物語』 志村 有広

(2005年8月読了分。感想などは当時のもの) 新編 百物語 志村 有広 (編・訳)河出文庫)¥714  評価…★★★★★ <内容紹介> むかし、百物語というものが流行しました。それにちなんで稀代の怪異譚の蒐集家が、平安から江戸時代に至る心底怖い話を百話よりすぐり、身も凍る今の言葉に再現しました。(文庫裏紹介文より)
私はこういう古典的な怪談の類が好きなんで大変に面白かったです。学生時代に古典の訳文を見て、何でそうなの?それでいいの?その後どうなったの?とか思ったのと同じような感覚がありますが、その不条理さもいとおかし。 私が購入を決意したのは1作目を斜め読みした時、以下の件に出くわしたからですね。 「与次という者の祖母が百六十余歳となり、髪の毛はたいそう白かったので、僧に頼んで尼にした。祖母は若い時からこの上もなくわがままで恥知らずな性質であった。与次は既に八十歳あまりになっていて、子どもがたくさんおり、孫も多かったのを、祖母は与次をわが孫だといって、いつも気に入らないことがあると、責め戒めた」 「百六十余歳」ってそんなあっさり、とか「この上もなくわがままで恥知らずな性質」ってどんなの、とか80歳過ぎても孫は孫か(笑)とか私のツボにはまるところが多すぎて。 そんな感じで、私は終始こういうの好きだなぁ楽しいなぁと思って読んだので、紹介文にあるような「心底怖い」「身も凍る」というような本かどうかは疑問です。まぁ、怖いと思えば結構怖い話もある、かな? 私はホラーとか鬼畜に関してはちょっと麻痺してるところがあるのでよくわかりません^^;