『失踪日記』 吾妻ひでお

(2005年5月読了分。感想などは当時のもの) 失踪日記 吾妻ひでお (イースト・プレス) \1,197  評価…★★★★★ <内容紹介>「大いなるマイナー」と評された漫画家・吾妻ひでお氏の突然の失踪の経緯と失踪中の生活(ホームレスから肉体労働者へ)、復帰後のアル中生活(発症から入院生活まで)をご本人が明るく赤裸々に描いた作品。
凄く面白かったです。が、吾妻ひでおの作品を知らない人は衝撃度が薄れるので評価が少し下がるのかも。ちなみに私は氏の作品は読んでますがファンというほどではありません。 内容は物凄いんですが全篇に漂う妙な明るさと独特の絵柄に救われて全然暗くありません。むしろ強靭な生命力のようなものに感心します。路上生活中にする色々な工夫(拾った油と卵で自家製マヨネーズ作り、拾ったクキワカメの塩漬けと畑に生えてる野性のキャベツ(笑)で漬物作りetc)や観察や想像とか、全く向いていないように思える肉体労働生活(ガスの配管工)に意外に適応し社内報に漫画まで描いちゃう話とか、ほんと凄いです。こんなに生活力あるのに何で失踪しちゃうんだろうと不思議になります。 私はメジャー時代の氏の作品は余り好きではなくて、私小説的作品集である『夜の魚』に大人になって出会ってちょっと衝撃を受けて、マイナー系で文庫になってるやつを買い集めて読んでみて好きになりました。掲載誌のせいもあって結構ロリ趣味やエロがきついものもありますが(^^;) これを機会に若い人や私みたいに敬遠してた人にもに読んで欲しいものですね。ちなみに私が買い集めたのは下記のようなものです。  ◆『アズマニア』(早川JA文庫・全3巻)  ◆『吾妻ひでお童話集』(ちくま文庫) ¥672