『幽界森娘異聞』 笙野 頼子

幽界森娘異聞  笙野 頼子 (講談社文庫) ¥660  評価…★★★★☆ <内容紹介> ある春の日、私の目の前を故人が横切っていった。面識はないが彼女のことはよく知っている。痩せた清潔な感じの「おさない」老婦人。それは、サンダル履きの耽美悪魔主義者だ。 文豪・森鴎外の娘であり耽美小説の祖とも言われる森茉莉を著者の視点から見る別の存在「森娘」とし、自由奔放な筆致で彼女の著作内容や風聞等に詳しく触れていきながら、著者自身の生活や心情の描写も交えて独特の世界を作り上げていく。
※2006年12月読了分 思い入れがある本なのと文庫裏表紙の紹介文が余り感心しないものなのとで、自分で紹介文書いてみましたが、やっぱりいまいちかなぁ。笙野作品は難しいんですよ…。 ちょっと補足すると、小説でもあるけどある種の評伝でもあります。森娘こと森茉莉作品についてのファンらしい評価があると思えば、今まで余り語られてなかった人間・森茉莉についての風聞(かなり裏話的なものがあり面白くも衝撃的)があり、それらを含めて考察があり…で、非常に読み応えあります。森茉莉ファンは必読と言いたいところだけど、前出のようにちょっと衝撃的な裏話があったりするのでイメージを壊したくない人は読まないほうがいいかも。 しかし、私は笙野頼子森茉莉も好きなので大変に面白かったのですが一般の読者はどんな風にこれを読むんですかね?まぁ、知らない人の評伝を読むような感じで読めなくもないか。