『バブルズはご機嫌ななめ』 サラ・ストロマイヤー

(2005年8月読了分。感想などは当時のもの)

バブルズはご機嫌ななめ  サラ・ストロマイヤー (講談社文庫)¥960

 評価…★★☆☆☆

<あらすじ>

アメリカ男の思い描く金髪のかわいこちゃんの典型のようなルックスとファッションのバブルズは34歳バツイチの美容師。鉄鋼業しかない田舎町でゴシップと中高年のご婦人に囲まれ17歳の娘と何とかやってきたがライバル店の出現で収入が減少。

何とか手に職をつけて他の仕事を探そうと努力するがイメージ通り勉強は大の苦手。今までも10以上の職業訓練講座で落第している。しかし、背水の陣で受けたジャーナリズム講座で意外な才能が見出される。

それからバブルズは内職代わりにフリーの記事を書くようになるが財政状況はまだまだ思わしくない。正社員採用のために一発逆転のスクープを狙う彼女の前に事件が転がり込んでくる。街一番の有力者の妻が飲酒運転で人を殺したのを目撃してしまうのだ。

恐ろしい支配力を持つその男は昔から血生臭い噂が絶えなかった。その事件の記事を新聞に載せてからの彼女はトラブル続き。どうやら命を狙われているらしい。しかも元夫で弁護士のダンは敵方だということが判明。

母親とその変わった友人たち、娘のジェーン、友人のサンディ、同級生で警官のミッキーらの協力を得て事件を詳しく調べ始めたバブルズは意外な事件の真相を探り当てる。愛しい謎の男スティレットは本当に味方なのか? 


ユーモアミステリーというジャンルを読んだのは10数年ぶりかも。あんまりな表紙に逆にひっかかって悩みながらも買ってしまいました。

結果は、んー、まぁヒマつぶしにはいいんじゃない?ってとこですかね。ムダに厚いんですがあっという間に読めました。どうかと思うところもかなりありますが読む上でそれほど気にならないし。話の展開もオチもみえみえですがまあそれはそれで。それなりに面白かったですよ。

まぁ次回作を買うかって言ったら買わないですけどね。ちなみに本国では既に人気シリーズとなり5作目まで出てるそうです。

この作品の何が魅力かと言ったらそれはバブルズのルックスでしょう。バービー人形そっくりのプロポーションで金髪碧眼、大好きな服装はボディコンでミニ丈にハイヒール。時にはノーブラ。

ちなみに本人はこの服装は天然素材アレルギーだからと言ってますが、状況に応じて綿や木綿を着て平気でいるのでとても疑わしいですね。そもそも色と形にはアレルギー関係ないし。素直に単に好きなのと言えばいいのにねぇ。女性が自分が一番魅力的に見える服装をするのは自然なことだと思うけど。ただ、作者はこういう服装の女性を実際は好きじゃないのか作品に滑稽味を増そうとしてるのか、バブルズ自身が自分の服装につっこみを入れることが多いのですがそれは人物造型的に余りに不自然だからやめてほしいと思います。真っ赤なワンピを着た自分を消防車なみと言ったりとか、好きでそういう色を着てる人間は普通そんな風に思わないですから。もっとかわいいバブルズで通していいと思うんだけどなぁ。

そんな具合なので、映画にするほどの作品じゃないけどちょっと映像で見てみたいなーと思います。バブルズのセクシーな七変化見るだけで価値ありかと(笑)

134cmのバブルズの母親に181cmのその友人も実現できればインパクト大だし。

あと原文読んでないのに評価すべきではないとは思うんですけど訳の質がちょっとよろしくないような…。そもそも私の英語力で何かを言うこと自体がおこがましいという説もありますが、日本語としてこなれてないというか不自然だったりするので、おそらく適切な訳ではないと思うんだよね。

まぁ、そんな感じで、登場人物のルックス、行動、話の展開その他リアリティないこと極まりないですが、平行世界の話か何かだと思って気にせず読むことをおすすめ。あ、読むこと自体は特におすすめしません(笑)