『モロー博士の島』 H・G・ウェルズ

(2005年7月読了分。感想などは当時のもの) モロー博士の島 H・G・ウェルズ (創元SF文庫) ¥567    評価…★★★★★ <内容紹介> 海難事故に遭ったエドワードは貨物船に救われ、同乗していたモンゴメリーから手当てを受ける。彼はこの船に各種の動物を乗せてとある島に運んでいるらしい。船が島に到着した時、貨物船の船長の機嫌を損ねていたエドワードも一緒に放り出されてしまい、モンゴメリーはやむなく彼を島に連れて行くことに。 たどり着いた島は醜悪な容姿の奇怪な住人たちばかりで、彼らを束ねているのは行き過ぎた研究で学会を追われ10年前に消息を絶った天才生理学者・モロー博士だった!博士がこの島でしようとしていることは何なのか?恐るべき真実が徐々に明らかになってくる。 ------------------------- いやー、びっくりしました。物凄く面白かったです!SFの古典も古典、何と109年も前の作品なのに全然古びてない!凄いよウェルズ。こういう凄く評価の高い古典って今読むと期待外れだったりすることがあって、意外と読んでないんだけどやっぱり読むべきなんですねー。しかも当時作者は29歳かぁ。凄すぎる。久々に感動しました。 現代の、しかも相当にスレてる読者である私が読んでこれだけ感銘を受けるのだから、当時の読者の衝撃はいかばかりかと思うとまた感動。  ※以下ネタバレ有り
意外だったのはモロー博士がラストよりちょっと前で死んじゃうことですね。自分の創造物にやられるので因果応報といったところなんでしょうが。そして、また作品としての魅力のかなりの部分もモロー博士が死んだ後にあるのがまた意外。