『バタリアン5』(2006年・米)

バタリアン5バタリアン5 (2006年・米)

  監督:エロリー・エルカイェム

  出演:ジョン・キーフ、ジェニー・モーレン、

     ピーター・コヨーテ

  評価…★★★☆☆

<あらすじ>

大学生活を謳歌するジュリアンのもとに唯一の身寄りである叔父が亡くなったとの連絡が入り、寮生活をしていた彼はとりあえず叔父の家に向かう。悲しみにくれながら家の中を歩くうちに秘密の部屋らしきものを発見し、そこで怪しげなドラム缶を発見する。

実は叔父は魔のゾンビ製造薬「トライオキシン5」を隠匿していたのだ。そして、突然の死はそれを密売しようとする際に、薬が本物だと証明のためにゾンビ化した死体に襲われてのことだったのだ。

ジュリアンは叔父の科学者としての経歴とそのドラム缶の様子から、軍関係のヤバい物件だろうと察しをつけるが中身が気になり、友人で科学オタクのコーディーに調査を依頼する。

抽出できた缶の中の液体は分析した結果、ドラッグに極めて近い成分であることが判明する。その場に居合わせたジュリアンの恋人・ジェニーの弟(ジェレミー)がそれを聞いて早速ひと舐めした結果、今までにないトリップが体験できる実に強烈なドラッグだという。コーディーとジェレミーはこれで一儲けできると小躍りし出すが、中身に不穏な気配を感じるジュリアンはそれを厳しく戒める。渋々了承した彼らだったが、ジュリアンとジェニーが帰るなりドラッグの製造にとりかかる。

そして、寮に帰ったジュリアンのもとにインターポールの捜査官と名乗る二人組がやってくる。どうやら彼らが探しているのはあのドラム缶らしい。とりあえず知らないふりを通すジュリアンだが、いよいよあの中身はヤバいらしいとの確信は深まり今度はジェニーに研究を依頼する。

しかし、その時には既にドラッグは売人の手に渡り学生の間に広まり始めていた…


ゾンビもの大好きな私、中でもバタリアンシリーズはバカ系ゾンビ物で、かつ今までにないゾンビを創り出したという点でかなりのお気に入りです。そのシリーズの新作が20年ぶりに、しかも2本連続で出るとなっちゃあ見ないわけにはいきませんよね!

…と、私にしては珍しく張り切って新作でレンタルした前作の『バタリアン4』が、まぁ、えらいことつまらなかったんですよ。

で、すっかりやる気を失って『5』の方は放置してたのですが、今回見てみたらこちらは意外といけるんですね。期待が薄かったせいもあると思うけど、実際お話的にも作り的にもこっちの方が面白いと思う。

前作は本家に比べるとだいぶマジメな感じで、大企業の倫理無視の裏稼業を暴くみたいな展開なんですが、その割には設定やストーリーや何やかやがかなりお粗末。で、エログロともに不足気味。そして、何よりもゾンビの設定がバタリアンじゃない!これが最大の不満で、途中から見るの嫌になったくらいでした(T_T)

あの、素早い動き、細切れにしても死なない生命力(ゾンビに生命力は変か?)、倒したゾンビを燃やす煙に触れただけでゾンビになっちゃう感染力(剥製の犬が動き出した時の衝撃が忘れられません)、しかも自分で考えて行動できるし会話もできるというバタリアンの強烈なゾンビが見たかったのにー(>_<) あ、でも、無線に勝手に出て「もっと応援をよこせ」っていう本家のパロディはあったな。…と、この辺かなりうろ覚えで書いてますが。

このゾンビの設定がバタリアンじゃないというのは残念ながら本作も同様ですが、最初から認識してればショックは小さいんでね。

本作は前作と出演者や設定はかぶってるんですが、続編という感じでもなく最初からバカ映画風味満載。ギャグ的にはイマイチだけど、かわいい女の子とそのサービスシーンが最初からふんだんにあったんで、もうそれだけでほとんど合格と思いましたね(笑)ほんのチョイ役のチアリーダーたちがやけにかわいくてセクシーで見入っちゃいました^^;

まぁ、途中からはほとんどサービスないんですけど、最後のパーティーシーンで半裸でゾンビに襲われて痙攣してる女の子の画がエロかったので勘弁しといてやるかと。(いつも下品なエロおやじみたいな私ですみませんm(_ _)m)

で、メインディッシュであるゾンビはやっぱりいまひとつではあるんですけど、ドラッグ飲んでゾンビ化するっていうのと体質や量によって変化の出方が違って、タイミングが計れないっていうのが新しかったですね。最後のパーティーシーンでは、そのせいでもう何がなにやらって感じになります。まぁ、あの人数で本家バタリアンのスピードと生命力があったら確実に人間が全滅するから普通のゾンビにせざるを得なかったんだろうけど、頭に損傷を与えてもないのにダメージ受けるゾンビはさすがにちょっとどうかと思う。

しかし、まぁ、そんなチンケなゾンビのせいか最終の米軍によるゾンビ殲滅作戦もチャチでラフで、何か「ああ、こんなもんなんだなぁ」としみじみ思わせてくれたのでそれはそれで良かったですよ。

あ、そういう意味ではジェニーが元弟のゾンビを倒そうとする時のお涙頂戴シーンは凄く余計。何故ここだけリアルな感情描写?どこかで落とすのか?と不審な気持ちで見ていたけどオチなかったので、かなり意味不明です。

しかし、この4と5はバタリアンシリーズって銘打たずにふつうのゾンビ映画連作で出した方がみんな満足できる結果になったんじゃないかと思うんだが、そうできないわけでもあったんだろうか?