『NHKにようこそ!』 滝本 竜彦

(2005年7月読了分。感想などは当時のもの) NHKにようこそ!(角川文庫)滝本 竜彦 ¥552 評価…★☆☆☆☆ <あらすじ>大学を中退してひきこもる佐藤。何とかひきこもりから抜け出そうとあがく日々。ある日隣室に高校の後輩・山崎が住んでいたのに気付く。山崎はひきこもりではないがオタクでロリコンな上に色々なトラウマがあるようだ。ふたりは合法ドラッグをやったりその勢いで戦ったりエロゲー作ったりと微妙な努力を続ける。そこに謎の美少女・岬ちゃんが登場し、佐藤に「あなたは私のプロジェクトに大抜擢されました」と。どうやら彼女は佐藤をひきこもりから救おうとしてくれているようなのだが…。
ひきこもりなりの青春小説って感じですかね。そんなに悪くはないんですが事前の期待感が大きすぎて評価が辛くなってしまいました。文庫裏表紙のあらすじはちょっと詐欺じゃないかなー。B級以下映画の予告編でうまいこといいシーンだけつなぎあわせて凄く面白そうに仕上げてたりするけどそんな感じ。 ちなみに引用すると「俺は気付いてしまった。俺が大学を中退したのも、無職なのも、今話題のひきこもりなのも、全て悪の組織NHKの仕業なのだということを!~(中略)~エロスとバイオレンスとドラッグに汚染された俺たちの未来を救うのは愛か勇気か、それとも友情か?驚愕のノンストップひきこもりアクション小説ここに誕生!」。 これ読むとつい戸梶圭太ばりのめちゃくちゃを期待してしまうよねぇ。でも、ひきこもりの人が読むとそんな感じなのかもしれないなぁ。マンガにもなってるし、乙一氏と抱き合わせでキャンペーンはるくらいだからかなり人気があるんだろうし。私がババァだから理解できないのかもしれませんな。 あ、でも、人生がうまくいかない時に仮想敵を設定するってのはいい考えかも。題名のNHKはその仮想敵を指すようです。佐藤くんの場合は「日本ひきこもり協会」らしい。