『誰も知らない』(2004年・日)

(2005年7月ケーブルTVで視聴。感想などは当時のもの) 誰も知らない(2004年・日) 監督:是枝 裕和/出演:柳楽 優弥、YOU他  評価…★★★★☆ <作品紹介> 1988年に実際に起きた「巣鴨子ども置き去り事件」をモチーフにし、母親に置き去りにされた4人の子どもたちが彼らだけの生活を続ける約1年を描いている。カンヌ映画祭で長男役の柳楽優弥が史上最年少で最優秀男優賞を受賞したことで一躍脚光を浴びた作品。 子供達には台本を渡さず監督のその場の指示で演技させるという形をとり、撮影自体にも1年以上をかけたセミ・ドキュメンタリー的な手法が特徴的。母親役のYOUの台詞もほとんどの部分がアドリブだとか。  ※以下ネタバレ有り
--------------- 私は元になっている「巣鴨子供置き去り事件」の詳細を知っていたので、かなり陰惨な作品を想像していて、見たくないなーそういう雰囲気になり始めたら見るのやめようかなーとか思いつつ見始めたのですが、全然違うんですね。なーんだ。 むしろ全篇ほのぼのとした雰囲気が漂っていて、最後近くで小さい妹が死んじゃうんですがそれすらも何だか淡々とした日常生活のひとつのようで。最後も淡々と何だか前向きにすら感じさせる雰囲気で終わっちゃうんだもんなー。意外だ。まぁ、筋と設定も結構変えてあるけどね。前半の母親がまだいる時期なんか凄く楽しそうな家庭で羨ましいとか思っちゃったもの。 そう!この母親にYOUはぴったり!超はまり役だよ。多分、実際の母親もそうだと思うんだけど、いいかげんでわがままで嘘つきで、でも、何かかわいくて憎めない女。子供たちにとっては同じ目線で相手してくれる大好きなお母さんて感じ。この作品は彼女なくしては語れません。 話題にもなった通り、子供達の自然な表情もとても良いです。私はガキは嫌いですがそれでも良いと思いましたもの。特に死んじゃうゆきちゃんがかわいい。このコはほんとに顔がかわいいしね。 柳楽くんも確かにいいですが、あれは演技じゃなくてかなりの部分素だろうと思われるので、カンヌ最優秀男優賞はちょっと詐欺じゃないかなー。 新しい映画が公開されるようで、最近テレビでよく見かけますがびっくりするくらい線が太くなっちゃったねー。凄く雰囲気のある、ある種の美少年だと思って感心してたのにそうでもなくなっちゃいそうだ。残念。 しかし、この作品と巣鴨子ども置き去り事件を同一視されるようだと困るので、そこははっきりさせてほしい気はするなぁ。