『 叛旗兵 ― 妖説直江兼続 ( 上 )( 下 ) 』 山田 風太郎

◆ 叛旗兵 ―妖説直江兼続 〈上〉 〈下〉 山田 風太郎 (徳間文庫) 各 \680  評価…★★★☆☆ <作品紹介> 上杉家家老直江山城守兼続に持ち込まれた難題。それは、家康の懐刀本多佐渡守の次男正重と兼続の養女伽羅との縁談である。佐渡守の狙いは、外様の代表格上杉家への牽制。これに、兼続秘蔵の家臣、前田慶次郎ら直江四天王は怒り心頭。正重は佐渡守が仕立て上げた隠密、との噂さえあるのだ。 「 必死の叛は、やらぬ 」 と嘯く兼続の対抗策は…。 ( 文庫裏表紙紹介文 )
古くからの山田風太郎ファンの方のために警告。 これ、廣済堂文庫から出てる全集に収録されてるの ( 叛旗兵―山田風太郎傑作大全〈7〉 )と同じ内容です! (>_<) 迂闊な私はダブって買ってしまいました(T_T)  合計で1360円もの金額的な損害もさることながら、風太郎さんの未読の作品が読めるという喜びが裏切られたショックの方が大きかったです…(T_T) いや、確かにタイトル同じなんだけど、新たに付けられた副題 ( 「 妖説直江兼続 」 ) に幻惑されちゃってさぁ(-"-;) 似たような題の本を持ってる記憶はあるけど、それは直江兼続メインじゃなかったよなぁと思ったんだもの。 中身を確認すればよかったんですけど、風太郎さんの戦国~江戸モノって結構雰囲気似てるから、パラ読みじゃ気付かなかったかも(T_T) 余りにも悔しくて腹いせにもう一回読んでしまった。それも一気に。 って、全く腹いせになってないですけどね…。 で、やっぱり面白かったですが、直江兼続がメインでないのは間違いじゃなかったですね。まぁ、彼の周辺での話で、かつ彼が黒幕的だったりもするのですけど、活躍するのは直江四天王 ( 車丹波前田慶次郎、岡野佐内、上泉主水 ) と、何故か宮本武蔵佐々木小次郎 ( 風太郎さんは武蔵好きだよねぇ^^; )、 そして、ネタバレになるから名前は伏せるけど、非常に有名な忍びの者などです。 伽羅は風太郎作品では御馴染みの偶像化されたヒロインですが、他の作品のそれと比べると浮世離れ感が低くて好感が持てます^^ ラストの振る舞いもとても良いです。