『 ループ 』 ( 2006・米 )

◆ LOOP ループ  ( 2006年・アメリカ )

 監督:ジェフリー・クルック、ジョシュア・クルック

 出演:ローレン・カリー・ルイス、クリス・フェリー、コディ・ダーベ、モーリーン・オランダー 他

 評価…★★★☆☆

<あらすじ>

大学生のクレアは24時間営業のショップで夜間のアルバイトをしている。仕事明けにはボーイフレンドのジミーに車で迎えに来てもらい、家まで送ってもらうようにしていた。 ところがある日、ジミーだと思って近づいた車には見知らぬ中年男が乗っていた。

戸惑うクレアに、デュークと名乗るその男は、ジミーの仕事仲間で、今日は都合が悪いから代わりに行ってくれるよう頼まれたのだと言う。初対面の男の車に乗るのは気が進まないが、相手はジミーのこともクレアのことも知っているようだし、何より車はジミーのものだ。急いでいたこともあり、それ以上追究せずにクレアは車に乗った。

しかし、やはり男の様子は妙だった。クレアに関心があるらしいことと情緒が安定してないらしいことは確実だ。何とか無事自宅前で下ろしてもらったクレアは家の中に駆け込む。そして、ほどなく、彼女を追ってデュークがやってくる。忘れ物があると言うのだ。

それはウソではないようだが、恐怖に震えるクレアは彼を撥ね付ける。すると、デュークは意外にもおとなしく引き下がって、帰っていった。怯えながらも戸口に置かれた忘れ物を回収し、一安心して振り向いたクレアの前には何故かデュークが立っていた! どこからか侵入したらしい彼は本性を露にして、彼女に容赦なく暴力を振るい、そして、彼女の意識は途絶える…。

気付いた時クレアはバイト先のショップにいた。仕事明けの時間だ。迎えに来たのはいつも通りジミーだ。いつもと変わらぬ平穏な生活を送るうち、クレアはあれは夢だったのだと思うようになった。しかし、何故かいつもと違う不穏な感覚があるし、何より恐怖感が消えない。そして、そんな彼女の前に、またデュークが現れた。再び振るわれる理不尽な暴力、やがて、訪れる死と言う名の暗黒。

しかし、また、彼女は目覚めた。最初に殺されたと思ったのと同じ日の、同じ時だ。状況は少しずつ変化するが日にちと結果はいつも同じだ。デュークに出会い、暴力を振るわれ、死に至る。 これは全て夢か妄想なのか?自分は狂ってしまったのか?それとも全ては現実なのか? 


ほとんど期待してなかったけど意外によかったかな。連続殺人鬼役がいい感じにコワいのだ。ただ、色んな意味で見せ場には欠ける。繰り返される殺害シーンも格闘シーンも至って地味なのだ。

あとヒロインのコが大してかわいくない ( 作中では「凄い美人」とか言われているが… ) 上に、欧米人とは思えないチンチクリン ( 死語? ) なのに、全くサービスしてくれないのにはがっかり。乳だけはそこそこ立派なのにさー。作中の殺人鬼の台詞の 「 お高くとまんなよ 」 に思わず頷いてしまったよ。 ( しょっぱなからクズな発言ですいませんm(_ _)m )

※以下ネタバレ有り※

で、最初から多分こうかなと思ってた通りにオチるんだけど、そうなると善良な一般市民にとってはコワイ話ではなくて、むしろ、いい話になってしまうところが弱点かなと^^; 

それに舞台は地獄で、周りは悪魔?とか思うと、宗教心のない日本人としては何だかファンタジーな気持ちにもなってしまうし^^;

ともあれ、罪人が被害者の立場になって、その苦しみを味わうというのは現世ではなかなか叶わないですが、理想の刑罰だと思います。SFでは割とあるネタだけど。

でも、小説とかでなく映像にした場合、罪もない少女が繰り返し責められ殺されるというシーンを否応無しに見せ付けられることになり、この悪趣味にさにより勧善懲悪的な意味合いは物凄く薄められますね。いや、もちろん、本作はそういうつもりで作ってなんかいないんだろうし、見る方もむしろ悪趣味なシーンが見たくて見てるんだろうけどね。あ、もちろん私も含めて^^;

ただ、犯罪被害者側の感情とか救済、そして、場合によっては加害者の更生とか救済という問題が気になっている私としては、こういうネタはもう少しマジメに作って欲しいようにも思います。 まぁ、こういう映画を見てそんなことを言う方が野暮か(-_-;)

展開は読めてるし、登場人物も限られてる上に俳優のレベルも低めという状況なのに、意外と面白く見られたのは完全な繰り返しではないからでしょうね。繰り返されるたびに話が少し変わるんです。場面が進んだり、違う展開になったり。 まぁ、私とは逆に 「 ちゃんとループしてないじゃん! 」 って不満を持つ方もいるかもしれないですけど^^;

実際の事件の顛末がどのようなものだったのかはわからないけど、ラストからすると顔の皮を剥いだのは確かみたいですね…。 でも、この見せ場とも言えるシーンが地味でねぇ…(-"-;) 特にあの緊張感のない悲鳴は何事か!と。ホラーは女性の悲鳴あってのことですから、あのシーンは吹き替えてでも、いい悲鳴を使うべきだと思います! 我ながら変質者か!と突っ込みたくなる意見だけど、でも、絶対そうだと思います(>_<) 

最終的な気付きに至るまでは小出しにして苦しめるというコンセプトがあるようなんですが、それにしても全てが地味。最初は殴打で、次が扼殺、あ、刺殺もあったかな? 扼殺シーンは結構よかったけど、反撃して犯人の目玉を潰すシーンより首を絞められて苦しんでいる方がコワイ感じだったのはいかがなものか。ヒロイン役の女優は決して演技の上手い方ではないと思うんだけど、目を指で押してるうちに潰れて血が出る…という映像がショボすぎるんだよな。