『 CE4 エイリアン・アブダクション 』 (2007・米)

◆ CE4 エイリアン・アブダクション (2007年・アメリカ)

 監督:ロイ・クニリム

 出演:ジェイソン・コネリー、A・J・コック、アシュリー・ペルドン 他

 評価…★★★☆☆

<作品紹介>

1997年3月にアメリカ南西部で発生した「 フェニックス・ライト事件 」( 夜空を舞う謎の発光物体を数千の市民が目撃したというもの)を基に製作された映画。

舞台は1997年3月のアリゾナ。恋人同士のリリーとマット、マットの妹モリー、そして彼らの友人のジョーとジューン夫婦の5人は、マットが最近手に入れたキャンピングカーでラスベガスへ向かっていた。マットの用意したいい加減な地図のため車は本来のルートを逸れて、どこともわからない田舎道を走っていたので、周囲には何もなく夜になった今、辺りは真っ暗だった。

能天気に騒いでいた連中もさすがに不満を口にし始めるし、恋人のリリーは態度がおかしい。ただでさえイライラして集中力を欠いていたマットは、そこに出現した夜空を飛ぶ発光体に気を取られ、路上に停車していた車に接触し、そのまま立ち木にまともに衝突してしまう。

自分の不注意を棚にあげ車の持ち主に殴りかかったマットだったが、衝突のせいで重傷を負ったジョーのために医学の心得があるらしい彼・リチャードの力を借りざるを得なかった。ちょっと胡乱なところはあるが落ち着いていて能力もあり頼れるリチャードにリリーとモリーは心を許し、協力してこの事態を打破しようとするが、彼らの車はどちらも原因不明の故障で動かず外部との通信もできない。そして、リチャードは何か周囲に不穏な気配を感じていた。

そうするうちにジョーが危篤状態に陥る。何とか助けを呼ぼうと外に出るマットとリチャードだったが…。


「 フェニックス・ライト事件 」は実話だけど、この話はほんとに実話なのかしら?(^^;)

一応、冒頭に「体験者の証言に基づく事実である」みたいなナレーションは入るけど、その体験者は知りえないような情報が入ってるし。あ、取るに足らない話なんですけどね。というか、この映画自体が取るに足らないか(笑)

※以下ネタバレ有り※

 

まぁ、そんなにひどい映画ではないんですけどね。最初からB級以下って前提で見れば^^; 俳優陣もそこそこのレベルだし、時間も85分と短いのでダレることもなく、それなりに面白く見られました。

婚約してるのになかなか結婚しようとしないマットに妊娠したことを言い出せずにいるリリーとか、軍人あがりのリチャードのイラクで受けた心の傷に関わる何やかやとか、本題には何ら関係のない人間ドラマめいたものがくだくだ語られるのはB級SF・ホラーの定番みたいなもんだし。でも、死にそうな重傷の人がいるのにほっといてリチャードに言い寄るモリーと、唯一の医療の心得がある人間なのにケガ人から離れて、モリーに応えてんだか逸らしてんだか滔々と自分語りをするリチャードはちょっとどうかと思ったけど。まぁ、それ以外にもみんな自分勝手だったり非常識だったり結構ひどいんですけど、実話だって言うんだから仕方ないですねぇ(爆)

ただ、それにしてもこの映画は肝心の宇宙人登場シーンが余りにも少なすぎる! 予告で見たヌトヌトの宇宙船内でベタな形状の宇宙人に人体実験される的なシーンが魅力的だったから借りたのに、本編と予告篇で出てくるシーンの量がほとんど同じくらいなんだもん(T_T) よくあることとは言え、結構期待してたので相当がっかりでした(T_T)

まぁ、一応もう少し話の内容に触れておきましょう。

外に出て行ったマットはリチャードに撃たれて死んじゃうんですが、このマットは多分既にマットではなくなっていたのですね。車を修理中にひとりでいた時に乗っ取られていたのでしょう。その後、微妙に様子がおかしかった(それまでよりいいヒトになっていた^^;)ですから。

で、車内にいた連中は銃声を聞いているので、マット無しに戻ってきたリチャードに詰め寄ります。でも、いくら今日初対面で素性の知れない相手だからって、いきなり殺人犯扱いはひどいよねぇ。常識的な目で見ればマットの方がヤバいヒトだよ。

そして、パニックになってるモリーは外にマットの姿を見つけ、リチャードの制止の声も聞かず駆け出していき、何かよくわからないけど殺される。あんな兄でも妹には大事なんですかねぇ。私はあれよりはかなりマシな兄がいますが、同じ状況でも助けに行くかどうか疑問です。あ、それは私の人間性に問題ありですか?(^^;)

ジョーは結局傷が元で絶命するんだけど、その死体はガラスを割って侵入してきた何者かに持ち去られ、それを見てわめいてた妻ジューンも同じ道を辿る。

で、最後に残ったリチャードとリリーは車を捨てて、森の中にある小屋へと逃げ込むが、そこにもエイリアンの魔の手は容赦なく忍び寄る。そして、次にリチャードが目覚めた時、周囲は見たこともない物質で覆われていた。そして、彼自身も。(ココが私が見たかった箇所ですね^^;)

で、まぁ、何かよくわからないけど、同じような状態になってたリリーが腹の胎児を抜き取られて絶望したんだか何だか知らないけど、銃を持ってるリチャードに殺してくれと頼んで、彼は望みを聞いてやり、そこに宇宙人が来て何だかんだあるんだけど、何でか知らないけどリチャードは瀕死の状態で砂漠の中で見つかると。(凄いテキトーですいません…)

うーん、まぁ、何だかなぁって感じなんですけど、エイリアン・アブダクション実話系って大体こんな感じだから仕方ないかなぁと生暖かい目で見ておこうかなと^^;

しかし、無意味に成り代わってみたり(マット)、殺してみたり(モリー、ジューン)、さらってきた2人には大したことをしてる節もなかったり、エイリアンの方々の行動原理は全く理解できないですね。まぁ、エイリアンだから仕方ないですけど。でも、あんな凄い科学力( 手をかざしたりするだけで、皮膚や骨を透明にして人体の内部を露にしたり、中のものを取り出したりできる。生体装置みたいのを使ってるんだろうけど、そもそもあんなぐちゃぐちゃなものが何故あんな高度な働きをするのか??? )とおそらくはそれに応じた知性があるのに、どうして麻酔のひとつもかけてくれないんだろう?野蛮な地球人ですら実験動物に麻酔くらいはかけますよ。あと、全体的に色々ラフだよね。やはり、地球外知的生命体様は色々と謎だわ(笑)

そういえば、この映画のぐちゃぐちゃぬとぬとの宇宙船と宇宙人の様は 『 エイリアン・アタック! 』 のそれと通じるものがあるのですが( 出来はこちらの方が随分と上ですが^^; )、このテのぐちょぐちょ生体タイプ宇宙船って結構その筋では定番なのかしら? してみると、あの映画で唯一感心した「 キャトルミュートレーションされた牛たちを宇宙船などの材料として有効利用 」という着想は実は一般的なものだったりするのかしら? だったら結構ショックだ…(*_*)