『反社会学講座』 パオロ・マッツァリーノ

◆ 反社会学講座  パオロ・マッツァリーノ (ちくま文庫) ¥798  評価…★★★★☆ <作品紹介> 少年の凶悪犯罪は減ってるし、少子化になっても日本の社会はなんともない。昔の日本人はちっとも勤勉じゃなかったし、日本のお役人はふれあいが大好きだ…社会学を超えた「反社会学」で見れば、世の中はこんなにおもしろい!学問とエンターテインメントとお笑いを融合させ、業界を震撼させた奇書が、増補文庫版となって再登場。 (文庫裏表紙紹介文より) 自称イタリア人の著者が社会学的手法を用いて、2001~03年当時の社会問題などを面白おかしく分析した本。採り上げられている話題は「少年犯罪」「フリーター」「パラサイトシングル」「少子化問題」といった当時旬の社会問題がほとんどだが、「日本人は勤勉ではない」というちょっと視点の変わった論考などもある。
これは面白い。確かに面白いし、大いに頷けるところも多いんだが、何だろうこの後に残る微かな不快感は…。私、この著者と気が合わないのかしら…。 まぁ、それもあるような気もしますが、この論拠や資料の選択・提示が間違ってても自分の都合のいいように論理を展開していくっていう手法が、私はちょっとダメなのかもしれないですね。しかも、本書の場合わざとだって最初から断ってるから、気に入らないところがあっても文句もつけづらいし。 まぁ、私はしょっぱなの 「 キレやすいのは誰だ 」 の中の少年犯罪についての部分がかなり気に入らないので、その後もずっとそれをひっぱってしまった感がありますね。ああ、そのちょっと後の 「 日本人は勤勉ではない 」 もどうも気に入らなかったし。 あと著者が覆面作家みたいなのは別にいいんですけど、イタリア人という設定(と断定^^;)がどうも頂けないですね。本当に外国人視点で日本や日本人を見て語っているというなら意味はあるけど、そういう体にしてるだけで全くそうでないんですもの。いくら見え透いているとはいえ、そんなおふざけ設定はいらないんじゃないかなぁと思うわけです。まぁ、本気で受け取る人もいるからいいのかなぁ…。あー、ほんとにコメントしにくいな、この本(-"-;) まぁ、ともかく面白い本なのは確かです。マジメな方や社会学を生業にされている方などには向かないかもしれませんが、本書の第一章 「 なぜ社会学はだめなのか? 」 を読んで、面白いと感じた方はぜひご一読を^^