『東京伝説 溺れる街の怖い話』 平山 夢明

(5月読了分)

東京伝説 溺れる街の怖い話 平山 夢明(竹書房文庫)¥580

 評価…★★★☆☆

<作品紹介>

実話犯罪系怖い話『東京伝説』8巻目。ヤクザ関係、芸能・マスコミ関係の業界ならではの怖い話、家族・友人・恋人関係等での感情のもつれなどから起こる怖い話、イっちゃった人たち関連の怖い話など、そんな世界があるのか想像すらしなかったようなものから我々も遭遇しかねないようなものまでリアルに怖い話を36話収録。


その筋の人には説明するまでもない実話犯罪系怪談シリーズです。1人暮らしの女性には絶対すすめたくないリアルな怖い話が満載のシリーズで、正直私も第一巻を読んでから長いこと敬遠してたくらいです。世の中にどんな怖いことがあるのかを知っておくことや犯罪に対する心構えなどは、自分の身を守るために絶対に必要だとは思うのですが、このシリーズに収録されてる話は恐怖心を煽り過ぎですもん…。

で、そんなシリーズの最新刊なのですが、正直パワーダウンしている感じは否めないですね。こっちが慣れちゃったせいもあるのかもしれないけど、今までのような身に迫る恐怖感ってのがなかったです。まぁ、現実に報道されるニュースも東京伝説並になってる今日この頃では仕方のないことかもしれませんが…。あと、ちょっと文章のアラが目に付きました。前書きに書かれているような製作状況(巻を重ねるごとに悪化してるような…)では無理もないかもしれませんが、本来もっと書ける人だという思いがあるので、どうしても気になってしまいますね。もちろん実話系と小説が同じ文体である必要はないし、むしろ違っているべきだと思ってますから、そういう比較によるアラではないですよ。念のため。多分、今まではそのアラを感じさせないパワーがあったんだと思うんですよね。今回も読んでる時は面白くて夢中で読んだのですが、うーん…。

なわけで、今回はこれってのがないですね。強いて言えば 『オニカサゴ』、『ブラシ刑』 かな。って、単にグロ好きなんじゃないかと自分で突っ込みたくなるチョイスだけど^^; 前者は伝説のAV女優にして漫画家の卯月妙子さんのもろもろと筒井康隆の 『宇宙衛生博覧会』を連想しましたね。ヒロイン(?)のミサキの設定がちょっとリアリティに欠ける気がするけど、現実って意外にそんなもんかな。まぁ、AVネタも好きだし良かったです。

後者はブラシという小道具のせいか妙にリアルに映像と痛みを想像できる。この拷問シーンはちょっと映画で見たい感じかも(笑)でも、鉄のブラシってほんとにあるの?拷問用具?

あ、あと怖い話とちょっと違うけど 『ゴヒャクエンチョーダイ』 は厭な話であり良い話でもあるところが面白い。設定としては金の亡者、骨肉の争い…みたいな感じなんだけど、問題の老人自身は結果的には幸せだったんじゃないかなぁと思わせるほのぼの感があるのね。昨今問題になっている延命治療をするか否かみたいなこともちょっと考えさせられてしまいましたね。ちなみに私は基本的には肯定派です。

それと 『落し物』 は凄いリアルにありそうで厭だ。カラスとハトって嫌いよ。

そして 『U-12』 。これは作品について云々というより、私は昨今のロリエロ(私の中ではU-15が合致)の暴走ぶりがすっごく気になってて、あれを許したり推進したり強要したりしてる親はみんな死ね!と思っていたので、そこを取り上げてくれたことが嬉しかったですね。読後、やっぱり最後に壊れちゃうのは子供の方なんだろうなと思って、また厭な気分になりはしましたが…。ちなみに、この作品で出てくるのは女親で一応事情もあるので、許せないながらもまだ何とか考慮できる部分はあるのですが、現実では男親が率先してる場合とかあって、そんなヤツらはほんとにもう殺したいですね。

いや、ほんとハンパじゃないんですよ、昨今のロリエロって。小学生にTバック履かせてアダルトなエログラビアみたいなポーズとらせるのとか普通なんですよ!で、そういう衣装の合間にスク水だの体操着だのもあったりするから、ほんっとにタチが悪い。本来彼女達がするはずのない服装やポーズをとらせるだけならば、現実から乖離した別の世界の話として気持ちの逃げ場もあるだろうに、その一方で現実の少女である彼女達をも要求するって、お前らどれだけ強欲なんだ!つまり、彼女たちは現実の自分や学校生活さえも汚されるわけですよ。あー、もう書いてて腹たってしょうがない!早く規制しろよ、バカ国家!

私、ロリコンは否定しないけどロリエロは断固として認めない!

……気づけば本筋から物凄く逸れた話になってました。えー、ロリエロの話はまた改めて。(するのか?)

ところで、5月に読了して感想も書いていた本書の読書記録のアップが何故こんなにも遅くなったかというと、実話犯罪系である本書の感想に絡めて最近の犯罪関連でいくつか書きたいことがあったからなのです。しかし、結局断念しました。つい熱くなってしまって、ついでに書くってレベルじゃないくらい長くなっちゃうんですよ…。いつか書きたいけど、多分書けないだろうなぁ。せめて、これだけは書いておこう。光市の事件の犯人と弁護団はみんな死ねばいいのに、と思っています。あれは何とかならないのでしょうか?