『 レイプキラー 』 ( 2006・加 )

レイプキラー [DVD]

◆ レイプキラー  ( 2006年・カナダ )

 監督:カール・ベッサイ

 出演:カーメン・ムーア、カラム・キース・レニー、タントゥー・カーディナル、マーゴ・ケイン 他

 評価…★★☆☆☆

<あらすじ>

病により危篤状態に陥った父に会うため故郷の街へ戻ったレベッカ。カナダの田舎町であるそこには、肌も露な格好で街に立つ先住民の女性が多く見られた。大半が決して若いとは言えない年頃の彼女たちは、それぞれに鬱屈を抱え、酒に溺れ、心を病んでいる者も多かった。

先住民の母が幼い自分を置いて家を出たという過去を待つレベッカは、そんな彼女達を複雑な気持ちで見ていた。そんな彼女に臨終の床にある父は、母はお前を捨てて出て行ったのではないと言い、息を引きとる。

突然の告白に衝撃を受けるレベッカは、付き添っていた神父を問い詰めるが、母は行方不明だが、この街にいる可能性もあるらしいということがわかっただけだった。その日からほとんどあてもない状態でのレベッカの母親探しが始まる。

街に立つ女性に話を聞いたり、行方不明者のリストをチェックしたりするうちにレベッカは何となく不穏な気配を感じ始める。この街では何年も前から、孤独な先住民の女性の突然死が頻発しているのだ。その多くは安宿などで遺体が発見され、遺体からは異常値に近い高濃度のアルコールが検出されたというものだった。そして、その中にはレベッカが話を聞いた女性たちも含まれていた。

そして、レベッカには見えないが、街には先住民の女性の霊らしいものがいて、彼女に囁きかけており、レベッカもそれを何となく感じ始め、幻のような少女の姿を見たりもしていた。

そんな彼女の様子をうかがっている1人の中年白人男性がいた。彼は先住民女性が好きだと公言しており、あちこちで女性たちと戯れる姿が見られていた。そんな彼が、どうもレベッカのことが気になるらしい。そして、とうとうある日、彼は行動に出る。

彼に母を知っていると言われたレベッカは、何となく不審なものを感じながらも彼の自宅兼仕事場へ同行する。そこで、彼女が見たものは……。


この作品は何が描きたいのだか、ちっともわかりませんでした(T_T) 

当初題名と内容紹介から異常性欲系シリアルキラーものと思って期待して見始めたのですが、冒頭から何だか初老の先住民女性の幽体離脱だか何だか出てきて、スーパーナチュラルな感じだし、全体の雰囲気も何かヨーロッパ映画風というか、幻想的な感じで、どうもカナダの先住民の話 ( カナダにおける社会的な立場とか彼らの精神社会とか )がメインみたいで、確かに連続殺人犯らしき人物とその犯行シーンは一応ちゃんと出てきてはいるのですが、期待したような扇情的なグロものでは全くないようだなというのは割とすぐにわかります。

しかし、それはそれで興味深いし、連続殺人は好きだけど別にレイプシーンは見たくないし、むしろいいかもと思って見ていたのだけど、結局何だかずっと幻想的なだけでちっとも話が見えず、最終的に何だかわけがわからないまま終わっでしまいました(-"-;)

※以下ネタバレ有り※

レベッカが犯人をぶち殺したことによって、母親や犠牲者になった先住民女性たちの仇を討ったことにはなって、奴による無差別な先住民女性の殺戮も止まって、一応事件は解決したといってもいいのかもしれないけど、色々問題( レベッカが殺したって調べればわかると思うのだが… )は残ってるし、何より先住民女性を殺しまくる犯人の物語が全然わからないし、お母様の話 ( 何で出て行ったの? どうしてヤツに引っかかって死んだの? 何で霊体みたいになってるの? 等々 ) も結局詳細は全く不明。

カナダにおける先住民、特に女性たちのあり方というのが何となくうかがえはするものの、その辺も何だかって感じで。カナダの方々が見たら、また受け止め方も違うのかもしれないけど、私、ジャパニーズにはどうも不得要領でやした(*_*) 

彼らが貶められているということを言いたいのか、それでも精神的なつながりがあって強いんだよと言いたいのか、何だかよくわからないヤツらなんだあいつらはと言いたいのか。あと、犯人とコトに及ぶ( ほとんどはビジネスで、一部は酔余の幻覚で )女性たちが皆さん、自分のかつて愛した先住民の男性とやっている幻覚を見ているようなんだけど、それもどうなのか??? そんなに先住民が好きなのに何故コミュニティから出てきちゃったの???とか、もう疑問だらけ。

私もちゃんとした知識があるわけでは全然ないのだけれど、マイケル・スレイドとか読んでいるので、先住民ってインディアンでしょ?あれはアメリカでしょ?なんて人たちよりは、カナダにおける先住民というものに理解がある方だと思うのだがなぁ。

ただ、こんなに先住民の女性の姿を見ることはなかなかないので、そういう意味ではちょっと貴重かな。心がオヤジの私としては、中年女性が多くてちょっと残念でしたが、体のたるみ具合とか見につまされたりして f^_^;)

あ、あと巨乳の先住民女性に白人男性が「 すげーおっぱいだな。まるで牛みたいだ 」てなことを、おそらくは誉めるつもりで言ったら、彼女が激怒していたのがちょっと不思議でした。文化的な問題???

ちなみに題名との余りの乖離に不審に思って確認してみたところ、原題は 『 UNNATURAL & ACCIDENTAL 』 ですって。  『 不自然と偶然 』 ? わかるようなわからんような……。

まぁ、確かにこれを邦題にするわけにいかなかったというのだけはよくわかるが、もうちょっとどうにかならんかったものかね? つーか、そもそも何故これをDVD化したのだ???