訃報~J・アップダイク氏死去

長いこと精神的穴居生活を送ってましたが、この訃報だけは記録しておかないとなぁと思って穴蔵から出てまいりました。  ジョン・アップダイク氏 27日肺がんのため死去
以下、例によってネットニュースより抜粋して貼り付け ( 1/28配信の読売新聞ニュースより ) 長編小説「走れウサギ」など「ウサギ4部作」で知られる米国の人気作家ジョン・アップダイク氏が27日、肺がんのため、マサチューセッツ州ボストン近郊のホスピスで死去した。76歳だった。専属出版社が声明で明らかにした。 アップダイク氏は1932年、ペンシルベニア州リーディングで生まれた。ハーバード大で英文学を学んだ後、54年から1年間、英オックスフォード大の美術学校に留学。この間、高級誌「ニューヨーカー」に短編作品が掲載され、帰国後、執筆活動を本格化した。 米国の小さな町に暮らす中流層の日常を主題にしたことで知られ、60年発表の「走れウサギ」や、その続編は、米国内外で多くの読者を魅了した。創作活動は旺盛で、長編小説のほか、短編、エッセー、詩、批評、ノンフィクションなど執筆分野は多岐にわたった。 今ほどジャンル小説に偏ってなかった大学生の時が初読かなぁ。同時期に同じようなきっかけ( 多分村上春樹経由だったと^^; ) で読み始めたアーヴィングは離れた時期もあったけど今も変わらず好きで、つい最近も新刊を読んで、そう言えばアップダイクの新作は全然読んでなかったなぁとか思っていたところにこの訃報ですよ(T_T) 最近どんどん自分が親しみを持っている表現者の方 ( 作家、画家、俳優、映画監督等々 ) が亡くなっていくので、何というか、ほんとにもう呆然としますね。かなり若い頃から、世の中何があるかわからないし自分がいつ死んでもおかしくないとは認識してたつもりだけど、最近はその重みが違います。残り少ないかもしれない人生を悔いのないよう過ごさねばと改めて思うと同時に、不慮の事故や突然の病死に見舞われる前に十数年分の日記を然るべく処理しなくてはいけないと強く強く思ったことでありました^^; まぁ、とりあえず穴居生活はやめよう。今死んだら悔いが残るもんな。 私の中でのアップダイク作品ベストは断然 『 イーストウィックの魔女たち 』。原作も映画も非常に面白いです。 要約すると、ごく普通の田舎でごくふつうに生きる現代の魔女たち( 30代バツあり独身。手に職もあり、それぞれに魅力的 )の生活と、そこに現れた悪魔とのあれこれって感じになるのですが、お伽噺のようでリアルで、物凄くリアルなのにお伽噺…っていうこの不思議な感覚はぜひぜひ、原作で体感して頂きたいと思います。 私は原作も映画も10代後半~20代くらいが初でしたが、その後何度読んでも面白かったし、主人公である魔女たちと同世代になってから読んでも見てもやっぱり面白かったです。もちろん、その面白さの質は違うんですけどね。一般にはどうなのかわからないのですが、私にはお伽噺的である本作においてのみ、他のアップダイク作品にはないリアルな女性像が感じられます。あ、男性には多分ふつうにお伽噺的に楽しいんじゃないかと思います。特に映画。 ◆ イーストウィックの魔女たち   ジョン・ アップダイク/訳:大浦 暁生  (新潮文庫) \652    評価…★★★★☆ イーストウィックの魔女たち  監督:ジョージ・ミラー  出演:シェール、スーザン・サランドンミシェル・ファイファージャック・ニコルソン 他   評価…★★★★☆