スコージ 災いをもたらす獣 ( 2008・米/加 )

スコージ 災いをもたらす獣 [DVD]
スコージ 災いをもたらす獣 [DVD] ( 2008年・アメリカ/カナダ・90分 )

 監督:ジョナス・カステル
 出演:ロビン・ルドゥー、ニック・リンド、ラッセル・フェリアー 他

 評価…★★★☆☆

(あらすじ) ※ややネタバレあり!

1871年、ワシントン州ハーバーフォードのとある教会の墓地に人間を襲い続けてきた怪物が封印された。

時が経ち現在、その教会が火事で全焼。焼け跡で作業している消防士の1人が何かに襲われたように見えたが、しばらくすると常態に戻り、作業場を後にする。しかし、異変はその後起こった。部屋に戻った消防士は異常な食欲に駆られ、冷蔵庫の中のものを貪り食い続ける。
その様子を見た同僚が食欲を抑えようと与えたビールを飲んだ彼に更なる異変が。飲んだ瞬間に激しい嘔吐感に駆られ、バスルームへと急ぐが、彼の体内から出ようとしているものはどうも別の何かのようだ。その証拠に皮膚の下からも何かが出てき始め、目からも出血し始める。
実は、彼は焼け跡で怪物に寄生されていたのだ。この怪物は人間の体内に寄生し、その内臓を食い破り、次の宿主に寄生するようで、次の宿主を求めているらしい。
怪物に操られてか、自らの意思でか、消防士は苦悶しながらガールフレンドのもとへと向かった。

そのガールフレンドであるリディアは実は本命の彼氏がおり、その彼氏のホッケーの試合を観戦していた。そこに現れた浮気相手の消防士に焦り、彼女は彼を何とかしようとロッカールームへと連れていく。向かい合う2人。そこで、第2の寄生が起こる。
そんなこととは知らない本命の彼氏・スコットは、リディアの行動に不審を抱き、追求するが、適当にいなされ、結局その晩のデートを約束する。

しかし、リディアの体内では寄生生物が蠢いていた。その夜、スコットが彼女のもとに訪れたとき、リディアは見かけ以外はもうほとんどリディアではなくなっていた。
そのためスコットとの約束を忘れたのか、彼の訪問には反応せず、ほかの男を求めて夜の街に繰り出す。そんなリディアをスコットは不審に思い、後をつけていくが、入ったクラブで速攻男をひっかけ、トイレでコトに及ぼうとする姿を見て、呆れ果て、彼女との別れを決め、その場を去ろうとする。
しかし、すぐに相手の男がふらふらと出てきたため、リディアの様子を見ようとトイレに入るが、彼女は壁に向かって立っていた。
安心すると同時に怒りがこみ上げ、別れの言葉を口にするスコットだったが、リディアは無反応だ。近づいて、肩に触れると、何と彼女は眼をくり抜かれたような状態で血まみれで死んでいた。

パニックに駆られ、その場を逃げ出したスコット。実は、彼は町の保安官と確執があり、この場にいたら間違いなく犯人にされると思ったのだ。
そのまま町から出ようとしたスコットだったが、その日、再会したかつての恋人ジェシーのことを思い、引き返す。ジェシーには会え、一応受け入れてはもらえたものの、状況はとてつもなく不利で合理的な説明ができない。しかも、ジェシーは保安官の姪で、彼からあることないことを吹き込まれている。
とはいえ、かつて図らずも引き離されることになった2人の間には、まだある種の感情が通い合っており、ジェシーはとりあえずスコットをかくまうことにした。

一方、叔父である保安官は、完全にスコットを犯人だと決めつけ、その他の寄生生物による殺人や混乱も全て彼のせいにしようとしていた。
錯綜する情報と混乱する状況の中、一時はスコットを疑いかけたジェシーだったが、犯行状況や死体の異常さ、叔父の不正などを知り、とにかくスコットを信じて、状況に対処することにする。
スコットは当初から何かのウイルスか寄生生物だろうと主張しており、ことの発端ともいえる消防士が異常になる前の行動を追っていたのだ。ジェシーもそれに協力する。
やがて、2人は封印された怪物の話に辿り着く。町を救うためにもスコットの汚名をはらすためにもこの怪物を退治するしかないと、2人は奔走するが……。



明らかにあらすじ書き込み過ぎですね(-_-;)
簡単に書こうとしたら凄く簡単になるんだけど、何だかよくわかんないしなぁと思い、書いてるうちにこんなことに……(T_T)
まぁ、自分の備忘録としてはこのくらい書いてあった方がいいのだけど、未見の方のためにはあんまりネタ割っちゃダメっすよね。
でも、この作品ぐらいの内容だと別にネタ割っててもいいんじゃねって気がしないでもない(^_^;)


※以下ネタバレあり




で、借りる前から、きっと駄作なんだろうなぁと何となく思っていたこの作品、意外と拾い物でした(^-^)v

いや、いろいろケチのつけどころはあるんですよ。
話の展開が何かと変だとか、書きこむべきシーンのチョイスがよくわからんとか、そもそもスコットが最初に症状が現れた消防士を疑うのはわかるけど、それで、いきなり彼の最後の現場だった教会に鍵があると思うのは余りにも無理があり過ぎるだろうとか。
怪物の被害者を複数見ているスコットが、あれはウィルスか何かじゃないかと思うのは頷けるのよ。目から出血してるし、寄生体って発想は普通の人には余りにも突飛なものだしね。でも、ウイルスだと思ったなら、火事の現場とか教会とかを疑いはせんのじゃないかなぁ。

でも、まぁ、そんなことはいいんですよ。短い映画ですし、そこそこ整合性があって、テンポよく進んで、ホラー的に見ごたえのあるシーンがありさえすれば。
そういう意味ではこれは十分合格^^
ちょっとダレるところがないわけじゃないけど、一体いつになったら話進むんだよ!とかいうのでなく、割とタイミングよくいいシーン(グロシーンとかね^^;)が入るし。
怪物の設定もちょっと面白い( 作中ではすごくさらっと流されるけど、実践士とかのくだりはそれだけで別の作品ができそう )し、造形や動きもなかなかだし、寄生された人たちの無残な死に様もなかなかグッド(^-^)b
電気ショックのシーンとか不気味なばあさんのくだりとかもなかなかよいし、手近にある道具を活用しての怪物退治シーンも面白かった。挟まれてびちびちしている怪物がかわいい^^

スコットは一般人にぶっ叩かれてノビてたり、大事な退治のときにうっかり寄生されて、今度は電気ショックでまたノビたりとあんまり役に立ってないし、頼りには全くならんし、こいついなくてジェシーだけでよかったんじゃね?みたいな気がせんでもないけど、まぁ、何かいいヤツって感じはする^^;


まぁ、唯一の不満は誰も脱がんことですかねぇ。最初の方に何故か男性のオールヌードはあるんだが、誰もそんなもん求めちゃいねぇし。
そもそも女性の登場人物が少ないよな。若い女性でセリフあるのはリディアとジェシー含めて4人ぐらいでは?
ジェシーは脱ぎそうにねぇなと登場したときから思ってたけど、リディアは期待感ぱんぱんなのに谷間すら見せやがらねぇんだからなぁ(-_-#) ホラーはやっぱりおっぱいが出て何ぼですよ(`^´)/

……とか、腐ったことをほざく私が見て、結構満足しているので、この作品はジャンル的にはまぁまぁいい作品なのではないでしょうか(^_^;)
ラストのまだ続きがあるぞ展開はお約束ではあるんだけど、個人的にはない方がよかったなぁ。
実践士のおじさんはかっこよく決めてたし、ジェシーは素人なのにめっちゃ頑張ったし、ちゃんと退治できて、めでたしめでたしにしてほしかった。
つーか、何であのデブには怪物が残っていたのかな? あの怪物は体の一部が残ってたら復元する的なプラナリア的な性質でもあったのかな。よくあるパターンの卵とかじゃないもんね。