クワイエットルームにようこそ』 松尾 スズキ  

クワイエットルームにようこそ (文春文庫)

◆ クワイエットルームにようこそ (文春文庫) 松尾 スズキ ¥470

 評価…★★★★★

<あらすじ>
28歳バツイチ芸能系ライターの私・明日香は気づいたらとんでもなく馬鹿げた見世物に立っていた。何でこんなことをと思いつつも覚悟を決めようとした時、どうも周囲の状況がおかしいことに気付く。
あれ、ここ、病院…? これ、夢…?
そして目覚めた私は、どうやら自分が相当にまずい状態にあるらしいことを理解する。恋人とのケンカの後、酒をのみながらかじった向精神薬がまずかったらしい。薬の過剰摂取で死にかけた私は精神病院の閉鎖病棟に入れられてしまったのだ。それも医療保護入院で。つまり、どうあがいても自分の意思では出られないってことだ。

最初のうちは、仕事のことも気になるし、規則だらけの院内の生活にもなじめないし等々でじだばたしていた明日香だが、いくら騒いでも仕方がないことを悟ったと共に、恋人の態度などから自分が運ばれてきた時の状況も徐々に察し始め、当面はおとなしくしておくことにする。そして、そこでそれぞれの問題を抱えた女性患者たちと出逢い、入院生活を過ごしていくうちに色々なことがわかってくる。過去から現在にわたる自分自身の問題も、恋人の気持ちも。
そして明日香は…。

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